地球科学

地球科学

眠りが長い火山ほど危ういのか――M8.8カムチャツカ地震が起こした475年ぶりの噴火

2025年7月30日の午前11時24分(現地時間)、ロシア・カムチャツカ半島の沖合でマグニチュード8.8の地震が起きました。観測史上でも上位に入る規模で、日本を含む太平洋の各地に津波警報が出たのを覚えている人も多いはずです。その数日後、半島...
地球科学

岩に覆われた氷河は、なぜ重力計で測れたのか

アメリカ・ユタ州のティンパノゴス山のふもとに、岩に覆われて見えない氷が約155万立方メートル埋まっている。ユタ大学の研究チームが2026年8月26日付で「Journal of Geophysical Research: Earth Surf...
地球科学

「スーパーボルケーノ発見」の見出しを、火山学者が歓迎しなかった理由

イングランド東部、ノーフォークとリンカンシャーの地下に、4億5,440万年前の火山が埋まっている。英国地質調査所(BGS)とオスロ大学のチームがそう報告し、8月末から「イングランドの地下に超巨大火山(スーパーボルケーノ)」という見出しが英語...
地球科学

地球の奥に、まだ誰も見ていない場所が6つある——200万本の地震波形を機械に読ませた結果

地球の内部に、これまで誰も記録していなかった場所が6つある。中国科学院のチームが、1990年から2024年までに世界で記録された200万本を超える地震の波形を機械に読ませて、そういう地図を描き上げました。舞台は地表から約2,900キロ下、岩...
地球科学

5600万年前の温暖化で森は樹冠の6割を失った——化石の葉の細胞が語る回復までの10万年

5600万年前、地球は急激な温暖化を経験しました。そのとき森がどうなったのかを、化石になった葉の「細胞の形」から読み出した研究が、2026年8月13日付のScience誌に載っています。調べたのはアメリカ・ワイオミング州の地層で、答えは「森...
地球科学

広島湾の砂粒に残っていた、地球に前例のない原子の並び方

広島湾の砂浜には、1945年8月6日にできたガラスの粒が、いまも混じっています。イタリア・フィレンツェ大学の地質学者ルカ・ビンディ氏らの研究チームが、その粒のひとつを詳しく調べたところ、中に含まれていた金属の粒が、地球上でこれまで報告のない...
地球科学

【地球年表15-2】新生代 第四紀 – 人類が何種類もいた地球

約258万年前から現在までを、第四紀と呼びます。新生代の最後に置かれた、いまも進行中の紀です。氷期と間氷期をくり返す激しい気候変動の時代であると同時に、もうひとつの顔があります。人類という生きものの時代、という顔です。ただしその「人類」は、...
地球科学

【地球年表15-1】新生代 第四紀 – マンモスはなぜ最後の氷期で消えたのか

約258万年前から現在までを、第四紀と呼びます。新生代の3番目、地質年代のいちばん最後に置かれた紀で、この記事を読んでいるいまこの瞬間も、第四紀のただ中です。寒い氷期と温暖な間氷期を何十回もくり返してきた「氷の時代」ですが、主役は氷ではあり...
地球科学

火山監視のデータが別の顔を見せた——地下に眠る「未来の鉱床」

銅やリチウム、金、レアメタル。こうした金属が地下に濃く集まった場所を「鉱床(こうしょう)」と呼びます。スマホにも電気自動車にも欠かせないこれらの金属は、掘り当てられた鉱床から採られていますが、その鉱床が「いままさに生まれつつある」ところを見...
地球科学

融ける永久凍土に、CO2を吸い込む働きが見つかった——チベット高原50河川の調査

永久凍土(えいきゅうとうど)が融けると、閉じ込められていた炭素が放出されて温暖化がさらに進む——気候の話でよく聞く、この一方通行の図式に「例外」が見つかった。スウェーデンのウメオ大学と中国の華東師範大学の研究チームが、チベット高原の50本の...
地球科学

【地球年表14】新生代 新第三紀 – 地中海が干上がった時代

新第三紀は、約2303万年前から約258万年前まで続いた、新生代の2番目の紀です。前半の中新世(2303万〜533万年前)と、後半の鮮新世(533万〜258万年前)に分かれます。前には哺乳類が空いた席を埋めていった古第三紀があり、後ろには氷...
地球科学

【地球年表13-2】新生代 古第三紀 – 急激な温暖化と、海へ戻ったクジラ

古第三紀は、6600万年前から約2303万年前まで続いた、新生代の最初の紀です。古いほうから暁新世(ぎょうしんせい)・始新世(ししんせい)・漸新世(ぜんしんせい)という3つの世に分かれます。この記事で追うのは、その真ん中あたりで起きた2つの...
地球科学

【地球年表13-1】新生代 古第三紀 – 哺乳類が空席を埋めた世界

古第三紀は、6600万年前から約2303万年前まで続いた、新生代の最初の紀です。直前には白亜紀末の小惑星衝突があり、鳥をのぞく恐竜はここでいなくなりました。古いほうから暁新世(ぎょうしんせい)・始新世(ししんせい)・漸新世(ぜんしんせい)と...
地球科学

【地球年表12-2】中生代 白亜紀 – 小惑星が落ちた日

いまからおよそ6600万年前、直径10キロから15キロほどの小惑星が、現在のメキシコ・ユカタン半島の沖に落ちました。できたクレーターは差し渡し180キロから200キロ。この一撃で中生代は終わり、地球の陸と海の主役が入れ替わります。その痕跡は...
地球科学

【地球年表12-1】中生代 白亜紀 – 花が咲き、羽毛が広がった世界

白亜紀は、およそ1億4300万年前から6600万年前まで。中生代の最後の紀にあたり、7700万年ほど続きました。恐竜の時代でいえば、その後半すべてがここに入ります。名前は「白亜」——チョークの原料になる、あの白い岩から来ています。ヨーロッパ...
地球科学

40年前の核実験が、地球の「外核」に浮かぶ何かを映し出した

地球のいちばん深いところについて、少し意外な報告がありました。バージニア工科大学の地球物理学者イン・ジョウ(Ying Zhou)氏が、1977年から1995年にかけて南太平洋で行われたフランスの地下核実験の地震記録を解析したところ、地球の中...
地球科学

【地球年表11】中生代 ジュラ紀 – 恐竜が地上の主役になった時代

ジュラ紀は、約2億140万年前から約1億4300万年前まで、およそ5800万年続いた時代です。中生代を構成する3つの紀のまんなかにあたり、前が三畳紀、この次が白亜紀になります。ひとつづきだった超大陸パンゲアが、この時代に本格的に裂けはじめま...
地球科学

【地球年表10】中生代 三畳紀 – 絶滅のあとの空席を埋めた者たち

三畳紀は、約2億5190万年前から約2億140万年前まで、およそ5000万年続いた時代です。中生代を構成する3つの紀の最初にあたり、前が古生代のペルム紀、この次がジュラ紀になります。名前の由来はドイツの地層です。1834年、ヴュルテンベルク...
地球科学

【地球年表09-2】古生代 ペルム紀 – 史上最大の絶滅

ペルム紀の終わりに、地球の生き物は顕生代で最大の打撃を受けました。古生代はここで幕を閉じ、次の三畳紀から中生代が始まります。五大絶滅と呼ばれる大きな絶滅のうち、規模でも後を引いた長さでも、これが群を抜いています。境界の基準になっているのは、...
地球科学

【地球年表09-1】古生代 ペルム紀 – ひとつになった大陸

ペルム紀は、約2億9900万年前から約2億5200万年前まで、およそ4700万年続いた時代です。古生代を構成する6つの紀の最後にあたり、前が石炭紀、この次からは中生代の三畳紀になります。名前の由来はロシアのペルミという街です。1841年、イ...
地球科学

【地球年表08】古生代 石炭紀 – 巨大昆虫が飛んだ、酸素の濃い森

石炭紀は、約3億5900万年前から約2億9900万年前まで、およそ6000万年続いた時代です。古生代を構成する6つの紀のうち5番目にあたり、前がデボン紀、次がペルム紀。古生代はここから残り1紀になります。名前はそのまま石炭から来ています。1...
地球科学

【地球年表07】古生代 デボン紀 – ヒレが足に変わるまで

デボン紀は、約4億1900万年前から約3億5900万年前まで、およそ6000万年続いた時代です。古生代を構成する6つの紀のうち4番目にあたり、前のシルル紀からそのまま引き継がれて、次の石炭紀へと渡されます。名前の由来はイングランド南西部のデ...
地球科学

【地球年表06】古生代 シルル紀 – 植物が陸に上がった時代

シルル紀は、約4億4300万年前から約4億1900万年前まで、およそ2400万年続いた時代です。古生代を構成する6つの紀のうち3番目にあたり、そのなかでいちばん短い紀でもあります。前後の位置ははっきりしています。ひとつ前のオルドビス紀は、末...
地球科学

【地球年表05】古生代 オルドビス紀 – サンゴ礁の海と、氷に閉ざされた末期

オルドビス紀は、約4億8700万年前から約4億4300万年前まで、およそ4400万年続いた時代です。カンブリア紀の次、シルル紀のひとつ前にあたり、古生代を構成する6つの紀のうち2番目に置かれています。当時の世界地図は、いまとはまるで違います...
地球科学

【地球年表04】古生代 カンブリア紀 – 動物の体の設計図が出そろった時代

カンブリア紀は、いまから約5億3900万年前に始まり、約4億8700万年前まで続いた、およそ5200万年の時代です。古生代の最初の紀であると同時に、地球の歴史を大きく二分する「顕生代(けんせいだい)」——生き物の姿が化石ではっきり見えるよう...
地球科学

【地球年表03-2】先カンブリア時代 原生代 – 赤道まで凍った地球と、最初の大型生物

原生代(げんせいだい)は、25億年前から約5億3900万年前までの、地球の歴史で最も長い区分です。ここで扱うのはその後半、約10億年前から原生代の終わりまでの4億6000万年ほど。新原生代(しんげんせいだい)と呼ばれる区分にあたり、なかはさ...
地球科学

【地球年表02】先カンブリア時代 太古代 – 生命の痕跡が残りはじめた時代

太古代(たいこだい)は、地球の歴史の2番目の区分です。約40億3100万年前から約25億年前まで、およそ15億3000万年間。地球の46億年のうち、3分の1がこの時代に入ります。始生代(しせいだい)という呼び方もあります。前の時代との境目は...
地球科学

地球年表シリーズ 目次

地球の歴史46億年を、時代ごとにひとつずつ掘り下げていくシリーズです。それぞれの時代に何が起き、何がまだ分かっていないのかを、記事1本ずつでたどります。並べてみるとはっきりするのが、時間の配分の偏りです。生き物の姿が化石でたどれる顕生代(カ...
地球科学

【地球年表01】先カンブリア時代 冥王代 – 岩石が1つも残っていない時代

冥王代(めいおうだい)は、地球の歴史のいちばん最初の区分です。約45億6700万年前から約40億3100万年前まで、およそ5億4000万年間。地球が生まれてから最初の5億年余りが、まるごとここに入ります。名前の由来はギリシャ神話の冥界の神ハ...
地球科学

石炭をやめたら地球の裏側に雨が降った——緑を取り戻すアフリカ・サヘル

アフリカのサヘル地域が、緑を取り戻しつつあります。サヘルはサハラ砂漠の南縁に沿って、西のセネガルから東のエチオピアまで東西に延びる、幅800kmほどの半乾燥地帯です。1億5,000万人以上が暮らし、1970〜80年代には壊滅的な干ばつに見舞...