天文学

科学・宇宙

300万本のスペクトルを無料公開、老舗天文調査SDSSが空をひと回りした

スローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)が、20回目のデータ公開「DR20」を出しました。星と銀河のスペクトル300万本以上、ブラックホールから星雲のガスまでを収めたカタログ18種、それを眺めるためのブラウザ用ツールまで、ひとまとめで...
宇宙・天文

重力波観測の「空白地帯」に量子力学で挑む——ブルックヘブンのNIAC採択構想

重力波の検出器といえば、腕の長さ4kmのレーザー装置や、何十年もかけてパルサーを見張る観測網のような、とにかく大がかりな仕掛けが定番です。そこに、まったく毛色の違う構想が現れました。NASAの先進構想プログラム「NIAC」に採択された、ブル...
科学・宇宙

シャンデリア星団に刻まれた、ほぼ同時の「2回の星形成」

2026年6月、ハッブル宇宙望遠鏡の運用チーム(ESA/Hubble・NASA)が、球状星団 NGC 6723 の画像を公開しました。いて座の方向、地球から約2万7000光年の距離にある天体で、数万から数百万個の星が重力でひとかたまりに束ね...
科学・宇宙

打ち上げ成功はゴールではない——ローマン宇宙望遠鏡が天文学に持ち込む「多すぎるデータ」という問題

2026年8月30日、NASAの新しい旗艦宇宙望遠鏡「ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡」が打ち上げられました。日本時間では8月30日(日)の夜8時26分。場所はフロリダのケネディ宇宙センター39A発射台、ロケットはスペースXの大型ロケ...
科学・宇宙

太陽系のオールトの雲に、よその星系の天体が数万個まぎれているかもしれない

太陽系の外れにある「オールトの雲」に、よその星系で生まれた小天体が数万個まぎれ込んでいるかもしれない。フランス・ボルドー天体物理学研究所のショーン・レイモンド氏らが、2026年8月24日付で天文学誌「Astronomy & Astrophy...
宇宙

銀河系の外で初めて見つかった球状星団の星の帯、その名は「親潮」

2026年8月12日、科学誌Natureに少し変わった名前の天体が登場しました。その名は「Oyashio(親潮)」。地球から約1億1500万光年離れた銀河で見つかった、細く淡い星の帯です。星の帯そのものも大発見なのですが、それと同じくらい目...
宇宙・天文

打ち切られたスパイ衛星の余り物が、宇宙望遠鏡になった——ローマン望遠鏡、8月30日打ち上げ

2026年8月30日、NASAの新しい宇宙望遠鏡「ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡」が打ち上げられます。ロケットはスペースXのファルコンヘビー(ファルコン9を3本束ねた大型ロケット)で、場所はフロリダのケネディ宇宙センター。打ち上げ予...
科学・宇宙

アンドロメダ銀河で星の誕生が減速中、しかも近年加速——容疑者はすぐ隣にいた

私たちの天の川銀河のいちばん近くにある大型の銀河、アンドロメダ銀河(M31)で、新しい星が生まれるペースが落ち続けていることが分かった。ハッブル宇宙望遠鏡のデータを使ってワシントン大学などの研究チームが調べたもので、減速は過去5億年にわたっ...
科学・宇宙

金星の雲は地面の60倍速く回る——系外惑星の「1日の長さ」に潜む測定の落とし穴

遠くの惑星の「1日の長さ」を測ったつもりが、実は測っていたのは地面の回転ではなく、その上を吹く風だった——。そんな落とし穴を指摘する論文を、カリフォルニア大学リバーサイド校の惑星天体物理学者スティーブン・ケイン氏が発表しました。論文は天文学...
科学・宇宙

夜に太陽光を届ける衛星、その明るさは満月の約40倍——14km離れても逃げられない

宇宙に鏡を並べて、夜の地上に太陽の光を届ける。アメリカのReflect Orbital社が進めているこの計画について、「実際にどのくらい明るいのか」を大気の物理から見積もった論文が出ました。スロバキア科学アカデミーのMiroslav Koc...
科学・宇宙

銀河の外に「裸」で浮かぶブラックホール星——JWSTの「小さな赤い点」の謎に迫る発見

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が初期の宇宙を撮り始めてから、説明のつかないものが写り続けています。「小さな赤い点(little red dots)」と呼ばれる、ぽつぽつとした赤い天体です。MIT(マサチューセッツ工科大学)などの...
科学・宇宙

夜空の4分の3を1枚に——40億天体を収めた史上最大の宇宙地図が無料公開

夜空のおよそ4分の3を、40億個近い天体ごとまるごと写し取った地図が公開されました。史上最大の「2次元の宇宙地図」です。作ったのは、DESI(デジ)レガシー・イメージング・サーベイという国際チーム。13年分の観測を合成したもので、2026年...
科学・宇宙

冥王星の大気が薄くなり始めた——星の光の消え方で測る、探査機なしの気圧測定

冥王星の大気が、薄くなり始めているかもしれません。米・惑星科学研究所(Planetary Science Institute)のアマンダ・シカフーズ氏らの研究チームが、2021年半ばから2023年7月までのあいだに冥王星の大気圧が16%下が...
科学・宇宙

星が爆発する「最初の閃光」を追い切った——なのに、あるはずのジェットが無かった

重い星が爆発するとき、いちばん最初に放たれる光があります。星の中心が潰れて生まれた衝撃波が、星の表面を内側から突き破る瞬間の閃光(せんこう)です。長さは数秒から数時間。短すぎて、狙って観測することはほぼ不可能とされてきました。2026年3月...
科学・宇宙

系外惑星の生命探しを邪魔するのは、その星系に漂う塵だった

系外惑星に生命の兆候を探すとき、いちばんの敵は望遠鏡の性能不足だと思われがちだ。ところが、もっと手前に厄介なものが待っている。惑星のまわりに薄く広がる、細かい塵である。NASAゴダード宇宙飛行センターの研究チームは、この塵が惑星の大気を読み...
AI

実例が足りないなら作ればいい——AIが81万個のクエーサーから拾い上げた7個

クエーサーの分光データを81万個ぶんふるいにかけ、「重力レンズとして働いている」有力な候補を7個まで絞り込んだ、という研究が発表された。ふるいを担当したのは畳み込みニューラルネットワーク——画像や波形のなかからパターンを拾うのが得意なタイプ...
科学・宇宙

100年探された「ベテルギウスの相棒」、これまででいちばん鮮明に写る

オリオン座の肩で赤く光るベテルギウスに、寄り添うもう一つの星が写りました。100年ほど前から「いるはずだ」と言われ続けながら、母星が明るすぎて誰も捉えられずにいた相手です。ヨーロッパ南天天文台(ESO)がチリに持つ超大型望遠鏡VLTによる観...
宇宙・天文

白色矮星は「食べた量」を磁場に隠していた

太陽のような星が燃え尽きたあとには、地球ほどの大きさに縮んだ芯だけが残る。白色矮星(はくしょくわいせい)と呼ばれるその残骸の表面には、かつてまわりを回っていた惑星や小惑星のかけらが降り積もっている。表面に見える金属の「汚れ」を測れば、その星...
科学・宇宙

銀河のはずれで星が引き裂かれた——中心にいないブラックホールを可視光でとらえる

星をまるごと引き裂けるほど重いブラックホールは、銀河の中心に座っている。これまでに見つかった百件あまりの「星が引き裂かれる閃光(せんこう)」は、ほぼ例外なくその前提どおりの場所で起きていました。ところが今回報告された一件は、銀河の中心から約...
科学・宇宙

1000万個の星が詰まった球状星団で、ようやく1つ目のブラックホールが見つかった

ケンタウルス座の方向、1万8000光年先にオメガ星団があります。約1000万個の星が球状に密集した、天の川銀河でいちばん大きな球状星団です。ここには理論のうえで1万個ほどのブラックホールが潜んでいるはずでした。ところが、何十年探しても1つも...
科学・宇宙

自転が逆回りになった彗星——ハッブルの保管データが捉えた初の事例

彗星の自転がだんだん遅くなり、いったん止まって、そのまま逆向きに回り出す。そんなことが起きた証拠が、ハッブル宇宙望遠鏡の保管データから見つかりました。彗星の自転の向きが反転したとみられる例は、これが初めてです。しかも同じ解析からは、この彗星...
科学・宇宙

宇宙人は星の「回転」を盗んでいるかもしれない——高校生が出したSETIの新しい探し方

宇宙のどこかにいる文明が作った巨大構造物を探す、という話でまず名前が挙がるのはダイソン球です。恒星をまるごと覆って、その光を残らずエネルギーに変える仮想の建造物。赤外線望遠鏡で何十年も探されてきましたが、これだと確定した例はまだひとつもあり...
科学・宇宙

ジェイムズ・ウェッブでも見えない水、惑星の奥に沈んでいる可能性

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)で惑星の大気を丹念に調べても、その惑星がどれだけ水を持っているかは分からないかもしれない——シカゴ大学を中心とするチームが、計算モデルからそんな可能性を示しました。水が大気の下に沈み込んで層をなして...
科学・宇宙

いちばん近いブラックホールへ、1グラムの探査機を送れるか

太陽系の近所にブラックホールがあるなら、探査機を飛ばして間近で見てくればいい——そんな構想を、まじめに検討した論文が出ました。運ぶのは重さ1グラムほどのチップ。それを薄い帆にくくりつけ、地上から強力なレーザーを当てて、17分で光速の3分の1...
科学・宇宙

宇宙人の「灯台」を私たちは見逃しているかもしれない──SETIの探し方を変える新提案

宇宙人からの信号を、私たちは「探し方」の時点で見逃しているかもしれない——そんな指摘をする論文が発表されました。これまでの光学SETI(可視光や赤外線で地球外文明の信号を探す試み)は、星に向けて放たれる「一瞬の超短いレーザー閃光」を探してき...
科学・宇宙

天の川銀河に「最強の天然加速器」が確定——LHCの150倍のエネルギー

夏の夜空を見上げると、頭の真上あたりに「夏の大三角」が見える。その一角をなす、わし座の一等星アルタイル。この星の近くの方角に、地上のどんな装置もかなわない「天然の粒子加速器」が潜んでいる——そんな天体の正体に、広島大学が主導する研究チームが...
科学・宇宙

太陽系にいちばん近い単独の星、その惑星4つが「生命に絶望的」な理由

太陽系にいちばん近い「単独の」恒星、バーナード星。そのまわりを回る4つの惑星が、生命にとってかなり絶望的な環境らしい——そんな研究結果が発表されました。しかも面白いのは、惑星そのものを覗き込んだのではなく、恒星の成分から惑星の中身を推理した...
科学・宇宙

ブラックホールをわずか8.7年で一周する星「S301」——相対性理論の検証に新たな切り札

天の川銀河の中心にある巨大ブラックホールを、わずか8.7年で一周してしまう星が見つかった——そんな報告が2026年7月に発表されました。星の名前はS301。最も近づく瞬間には光速の8%を超える速さで駆け抜け、1周まわるたびに軌道の向きが約2...
科学・宇宙

太陽の銀、実は55%多かった——隕石との食い違いを解いたのは新しい計算だった

太陽には、あるはずの銀が足りない——そんな食い違いが、数十年にわたって天文学者を悩ませてきました。この謎に、スウェーデン・ウプサラ大学のチームが決着をつけました。新しい発見があったわけではありません。太陽の大気をより現実に近い形でモデル化し...
科学・宇宙

ジェイムズ・ウェッブが捉えたブラックホールの「食事」——燃料はガスの糸で届いていた

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、超大質量ブラックホールに「餌」が運ばれていく現場を、かつてない細かさで捉えました。舞台は、地球から約1億4500万光年先にある銀河NGC 4696の中心部。長く伸びたガスの糸が、直径800光年ほ...