宇宙開発

科学・宇宙

ロケットの爆発音が1,684km先まで届いていた——聞こえない音で測る事故の規模

2026年5月29日の夜、フロリダ州ケープカナベラルで、ブルーオリジンの大型ロケット「ニューグレン」の1段目が爆発しました。打ち上げ前にエンジンを地上で噴かす静的燃焼試験の最中の事故で、けが人は出ていません。ただ、その爆発の「音」は、フロリ...
科学・宇宙

バッテリーが死んでも蘇り続けた衛星編隊、26年目の計画的な幕引き

2026年9月2日の朝6時30分(世界時では9月1日21時30分31秒)——欧州宇宙機関(ESA)が最終予測として示したこの時刻に、衛星「Tango(タンゴ)」がニュージーランド北方の南太平洋上空で大気圏に突入しました。予測の誤差はわずか±...
科学・宇宙

救出は失敗、それでも観測は再開――NASAの衛星スウィフト、最後の数か月

2026年8月26日、NASAのガンマ線バースト観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト天文台」(以下スウィフト)が、搭載する3つの観測装置のうち2つ——X線望遠鏡(XRT)と紫外線・可視光望遠鏡(UVOT)——を再起動し、宇宙の観測に戻り...
科学・宇宙

落下までの数か月を使い切る――観測を再開したスウィフトと、それでも近づく救出機LINK

NASAの宇宙望遠鏡「ニール・ゲーレルス・スウィフト観測衛星」(以下スウィフト)が、2026年8月26日に観測を再開しました。半年ほど止めていた2つの望遠鏡の電源を入れ直し、最初に撮ったのはカシオペヤ座にある「ティコの超新星残骸」のX線画像...
科学・宇宙

NASAの望遠鏡が落ちてくる――民間救出ミッション失敗の舞台裏

NASAの宇宙望遠鏡「ニール・ゲーレルス・スウィフト観測衛星」(以下スウィフト)が、早ければ2026年10月にも地球の大気圏に落ちてくる見通しになりました。落下を防ぐために民間企業が救出用のロボット宇宙機を打ち上げていたのですが、機体のトラ...
科学・宇宙

中国が月の地質図を全面改訂——「書き換えられた」のは歴史だけではない

2026年8月6日、中国地質科学院地質研究所(IGCAGS)を中心とするチームが、縮尺1:500万の「月球地質図」を完成させたと発表しました。横約280センチ、縦約120センチの大判で、月の南極・北極の拡大図付き。13,519個の衝突クレー...
科学・宇宙

夜に太陽光を届ける衛星、その明るさは満月の約40倍——14km離れても逃げられない

宇宙に鏡を並べて、夜の地上に太陽の光を届ける。アメリカのReflect Orbital社が進めているこの計画について、「実際にどのくらい明るいのか」を大気の物理から見積もった論文が出ました。スロバキア科学アカデミーのMiroslav Koc...
科学・宇宙

邪魔者の空気を燃料に——大気を吸い込んで飛ぶ衛星、初の打ち上げ計画が発表

スペインの新興企業Kreios Space(クレイオス・スペース)が、「大気を吸い込んで進む衛星」を打ち上げる計画を発表しました。2026年8月4日の発表で、衛星の本体はリトアニアの衛星メーカーKongsberg NanoAvionics(...
科学・宇宙

火星ヘリが羽織る「小さなマント」の正体——布のアンテナで地下5mの氷を探す

NASAが2028年の打ち上げを目指している火星ミッション「SkyFall(スカイフォール)」は、小型のヘリコプター3機を火星に送り込み、地下に眠る氷を探す計画です。そのヘリコプターの試験映像が公開されたのですが、機体の後ろに布のようなもの...
科学・宇宙

スペースXのロケットの一部、8月に月へ衝突——さまよう「宇宙ごみ」が突きつけるもの

2026年8月5日、スペースXのロケットの一部が月面に激突する見込みです。狙って落とすわけではありません。1年以上も地球のまわりをさまよっていた「宇宙ごみ」が、たまたま月とぶつかるコースに乗ってしまった、という話です。ぶつかるのは、ファルコ...
科学・宇宙

アルテミスIII、月着陸の「リハーサル」を2027年に地球軌道で実施へ

NASAが、有人月面着陸の「予行演習」を2027年に行うと発表しました。ミッション名はアルテミスIII。宇宙飛行士がオリオン宇宙船で地球のすぐ上の軌道へ上がり、別々に打ち上げられた2機の月着陸船——SpaceXのスターシップとブルーオリジン...
科学・宇宙

スペースXのロケット、2回連続で発射直前に緊急停止——ファルコン9とスターシップに何が起きたのか

2026年7月、スペースXのロケットが立て続けに2回、発射直前で緊急停止しました。7月16日にはスターシップの飛行試験13回目が、7月20日にはファルコン9によるスターリンク衛星の打ち上げが、どちらもエンジンに火が入るかどうかというタイミン...
科学・宇宙

日本の再使用ロケット実験機「RV-X」、初の飛行試験に成功

日本の再使用ロケット実験機「RV-X(アールブイエックス)」が、初めての飛行試験に成功しました。2026年7月11日の早朝、秋田県の能代(のしろ)ロケット実験場でのことです。垂直に離陸して、空中で止まり、横に移動して、また垂直に降りて着陸す...
科学・宇宙

インドの民間ロケット「Vikram-1」、初飛行でいきなり軌道到達

インドのスタートアップが作ったロケットが、初めての飛行でいきなり地球周回軌道に到達しました。国の宇宙機関ではなく、一民間企業が自前で軌道までペイロードを運んだ——というのが今回のニュースの核心です。7月18日の早朝、ハイデラバードに拠点を置...
宇宙開発

月の砂を溶かして酸素を取り出す ブルーオリジンが公開した装置

アメリカの宇宙企業ブルーオリジンが、月の砂(レゴリス=月面をおおう細かい砂や岩の層)を模した砂を溶かして、そこから呼吸できる酸素を取り出す装置を公開した。「Air Pioneer(エア・パイオニア)」と名づけられたこの装置は、いずれ月に置い...
科学・宇宙

宇宙でエビは餌を食べるのか——岡山理科大が挑む「宇宙養殖」の第一歩

宇宙に出ると、食べ物は自分たちで持っていくしかない。地球でいちばん古い食べ物のひとつが魚介類だけれど、水の中で暮らす生き物が無重力に近い環境でどうふるまうのかは、意外なほど分かっていない。岡山理科大のチームが、この問いにまずエビで取り組んだ...
科学・宇宙

アルテミスII、有人で月をフライバイ――半世紀ぶりに人類が月へ

2026年4月、4人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船が、月を回って地球へ帰ってきました。NASAのアルテミスIIです。人が月まで飛んだのは、1972年のアポロ17号以来、半世紀ぶりのこと。今回は月に着陸したわけではありませんが、月の裏側をぐるりと...
科学・宇宙

月に降りるたび、生命の起源の手がかりが薄れていく

月の極には、太陽の光が一度も差し込まないクレーターがあります。そこには氷があり、その氷の中には、40億年前に彗星や小惑星が運んできた有機分子がそのまま残っているかもしれない——地球ではプレートの動きと風雨がとっくに消してしまった、生命が生ま...
科学・宇宙

中国の長征10B、初飛行で1段目の回収に成功

ロケットの1段目を、洋上に浮かべた船のネットで受け止めて回収する——2026年7月10日、中国がそれを本当にやってのけました。しかも、その機体にとって最初の飛行での話です。着陸脚を伸ばして降りてくるスペースXの映像に見慣れた目には、かなり異...
宇宙

宇宙に324平方メートルの鏡を広げる衛星「エアレンディル1」、FCCが許可

夜の空に鏡を広げて、地上の一点に太陽の光を落とす。そんな衛星の打ち上げを、アメリカの連邦通信委員会(FCC)が2026年7月9日に許可しました。会社の名前はReflect Orbital、衛星の名前は「エアレンディル1(Earendil-1...
科学・宇宙

宇宙ごみを「網」で捕まえて再利用——中国が示したネットメンブレン構想

地球のまわりを回る宇宙ごみ(デブリ)を、網で捕まえて大気圏に落とす——。使い古された衛星やロケットの残骸をどう片づけるかという問題に対して、「網」というアイデアはくり返し提案されてきた。中国の研究チームが、その網をこれまでで最も細かく練り上...
宇宙・天文

落下する宇宙望遠鏡をロボットで救え――NASAの前例なき「スウィフト救出」

22年近く宇宙で働いてきた望遠鏡が、大気の抵抗に引かれて少しずつ落ちてきています。そこでNASAが選んだのは、ロボットの整備機を送り込み、落ちかけた望遠鏡をつかんで軌道を押し上げる、という方法でした。人が乗らないロボットだけで、しかも「整備...
宇宙・天文

中国の宇宙往還機、軌道で「謎の物体」を放出か

中国の宇宙往還機が、軌道上でなにかを切り離した――。そんな観測が、宇宙を見張る民間企業から報告されました。放たれた物体が何なのかは、いまのところ分かっていません。淡々とした観測報告ですが、相手が「中身を一切公表しない」謎多き機体だけに、いろ...
テクノロジー

宇宙より冷たい-271℃でも動く半導体——酸化ガリウムが量子計算に開く道

普段使っているスマホやパソコンの部品は、じつは寒さにも暑さにも、思ったより狭い範囲でしか耐えられません。だいたい-173℃あたりを下回ると電子部品はうまく動かなくなり、逆に熱のほうも、たいていの部品は200℃に届く前に音を上げます。その「効...
未来予測(トレンド)

【未来予測】2100年、人類は「地球人」を卒業する。惑星間文明へと至る軌跡

2026年から始まったAI革命、2035年の「現実の壁」の崩壊、そして2040年代の「労働からの解放」。私たちがこの半世紀で歩んできた道は、まさにテクノロジーが空気のように生活に溶け込む、激動と進化の歴史でした。そして今、私たちは2051年...