材料科学

化学

金色のプラスチックだけが粉になる——原因不明の「ゴールドプラスチック症候群」

押し入れの奥に、昔のトランスフォーマーや初代ニンテンドーDSが眠っていないでしょうか。もし金色のパーツが付いた玩具があるなら、そっと開けてみると、そこだけが粉を吹いて崩れているかもしれません。玩具やゲーム機のコレクターの間には、「ゴールドプ...
材料科学

グラフェンのシワの先端に、化学では作れない電気の境目があった

グラフェンの表面に自然にできる細かいシワが、その場所の電気的な性質を変えている。アメリカのライス大学を中心に、イギリスのサセックス大学やマンチェスター大学、ペンシルベニア州立大学などが加わった研究チームが、そんな結果を材料科学誌のAdvan...
テクノロジー

電気モーターの代わりに「熱」で動かす固体冷却、Nature Energyで原理実証

金属の薄い膜を引っ張って、力を抜く。それだけで膜の温度が下がる。この性質を使った冷却装置を、電気モーターではなく「熱」で動かすことに、ドイツと日本の研究チームが成功した。論文は2026年8月28日、Nature Energy誌に掲載されてい...
地球科学

広島湾の砂粒に残っていた、地球に前例のない原子の並び方

広島湾の砂浜には、1945年8月6日にできたガラスの粒が、いまも混じっています。イタリア・フィレンツェ大学の地質学者ルカ・ビンディ氏らの研究チームが、その粒のひとつを詳しく調べたところ、中に含まれていた金属の粒が、地球上でこれまで報告のない...
物理

静電気を帯びた水滴が金属の塗膜を壊す――酸性雨とは別の「電気の腐食」が見つかった

金属が錆びる理由を聞かれたら、たいていの人は水と酸素、あるいは酸性雨を挙げると思います。つまり、錆は化学の話だと考えられてきました。ところが、ドイツのマックス・プランク高分子研究所のチームが2026年8月26日付でNature誌に発表した研...
科学・宇宙

熱は「集められる」——光線のように走る熱、室温で初めて観測

熱いコーヒーをテーブルに置くと、熱はまわりへまんべんなく逃げていく。どちらか一方だけに流れたりはしない——それが日常の実感で、物理の教科書でも熱は「高いところから低いところへ、あらゆる方向に広がるもの」として扱われてきた。ところが、カリフォ...
生物

海のゴカイのアゴは「金属みたいに」硬かった——新素材のカテゴリ「バイオ金属」

海にすむゴカイの仲間のアゴが、タンパク質と金属イオンを組み合わせた素材でできていて、しかも一部が「金属そっくり」に振る舞う——。そんな研究が発表されました。研究チームは、この手の素材を 「バイオ金属(bio-metals)」 という新しいカ...
化学

金はなぜ錆びないのか——表面の原子が「並び替わって」酸素をはじいていた

金が錆びない理由は、長いあいだ「酸素と反応したがらない金属だから」で説明されてきた。ところが、それだけでは足りないらしい。米チュレーン大学の研究チームが今年5月に Physical Review Letters に発表した計算研究によると、...
テクノロジー

ゴムひもの逆をいく構造——引っ張るほど内側へ縮む「逆向きスナップ」

ゴムひもを引っ張れば伸びる——これは考えるまでもない当たり前です。ところが、引っ張ると逆に内側へ縮み込む構造を、オランダの研究チームが作りました。しかも、力をゆるめたから縮むのではありません。引く力を強めていく途中で、ある瞬間にパチンと短く...
テクノロジー

熱を「プログラム」して覚えさせる——電源を切っても設定が消えない新素材の設計

熱には、やっかいな「決まりごと」がある。ある向き・ある波長で熱をよく吸い込む面は、同じ向き・同じ波長で熱をよく吐き出してしまう。吸うのと吐くのがセットになっていて、片方だけを都合よく変えられない。この結びつきを断ち切って、熱を吸い込む向きと...
科学・宇宙

AIが超伝導体の探し方を変えた——「カゴメ格子」の新物質を2つ発見

電気を抵抗ゼロで流せる「超伝導体」を、機械学習で一気に探し出す——そんな手法が実際に成果を出しました。ほぼ無限にある材料の組み合わせの中から、AIが有望な候補だけをふるい分け、これまで知られていなかった超伝導体を2つ見つけたという報告です。...
テクノロジー

平らに刷って、折って立体に ―― 折り紙にヒントを得たハイブリッド3Dプリント

折り紙は、一枚の平らな紙を折るだけで立体を組み上げる。その発想を3Dプリントに持ち込んだ技術が、アメリカのオークリッジ国立研究所(ORNL)から出てきた。素材を薄く積み重ねていく従来のプリントに「折りたたみ」を掛け合わせることで、これまで作...
テクノロジー

宇宙より冷たい-271℃でも動く半導体——酸化ガリウムが量子計算に開く道

普段使っているスマホやパソコンの部品は、じつは寒さにも暑さにも、思ったより狭い範囲でしか耐えられません。だいたい-173℃あたりを下回ると電子部品はうまく動かなくなり、逆に熱のほうも、たいていの部品は200℃に届く前に音を上げます。その「効...