老化

生物

大型犬が早く老いる理由は「跳ぶ遺伝子」の抑えが外れることかもしれない。894頭の血液で作ったイヌの老化時計

哺乳類をまたいで比べると、ふつうは体の大きい種ほど長生きです。ネズミは2〜3年、イヌは十数年、ゾウは60年以上、ヒトは80年を超えます。ところがイヌの中だけで比べると、この関係が逆転します。アイリッシュ・ウルフハウンドやグレートデーンのよう...
医学・健康

高齢の心臓は若い体で若返る──心臓移植で見えた生物学的年齢の正体

60歳の人の心臓を、20歳の人に移植したとします。この心臓は、20歳の体の中でも「60歳の心臓」のまま働き続けるのでしょうか。それとも、若い体に置かれることで何かが変わるのでしょうか。ハーバード大学医学部・ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(...
医学・健康

不眠を放っておいた人だけ「老化のペース」が上がっていた──CBT-Iの2年追跡

「よく眠る人は長生きする」という言い方は、健康の話題ではよく見かけます。ただ、この言い回しはたいてい、眠りの良い人と悪い人を大人数で比べて、あとから寿命や病気の差を数えたものです。眠りを良くしたら本当に何かが変わるのか、という順番の話にはな...
科学・医療

精巣の中では、病気を起こす変異のほうが勝ち残っている

大人の男性の精巣では、1日に1億5,000万から2億7,500万ほどの精子が作られます。もとになるのは精巣の細い管(精細管)の壁に並ぶ精原幹細胞で、この細胞が分裂を繰り返して、自分の数を保ちながら精子になる細胞を送り出しています。分裂のたび...
科学・生き物

地磁気を消したら、病気のハエは長生きし、健康なハエは短命になった

地磁気というと、方位磁針の針を北に向けたり、太陽から飛んでくる粒子をそらしてオーロラを作ったり、渡り鳥やウミガメの道しるべになったり、といった話が思い浮かびます。どれも「体の外側」で起きていることです。では、その磁気が体の中、細胞の中まで届...
医療・健康

神経につながっていない筋肉が動き続ける——マウスで確かめられた「運動の効果」の正体

皮膚の下に、自分の筋肉から作った小さな筋肉のかたまりを埋め込む。それが勝手に拍動しはじめ、数か月そのまま動き続ける。埋めたマウスは全身の筋肉が増え、握力が上がり、骨密度まで高くなった——中国科学院動物研究所(北京)のチームが、2026年8月...
医学・健康

生まれた月の違いだけで、70年後のがんリスクが変わっていた——戦後イギリスの砂糖配給が残した記録

1953年9月、イギリスで戦後ずっと続いていた砂糖の配給制が終わりました。それから70年以上たった2026年、この「配給が終わった日」をめぐって、思いがけない研究結果が報告されています。配給の前後に生まれた6万4,761人の健康記録を比べた...
医学・健康

臓器はそれぞれの速さで老いていく──血液から老け具合を推定するAIモデル

誕生日を数えれば、生きてきた年数は分かります。ただ、その年月を心臓や脳や腎臓が同じように過ごしてきたかどうかは、誕生日からは分かりません。同じ70歳でも、肝臓が若々しい人もいれば、実年齢より老け込んでいる人もいる——そういう「臓器ごとの歳の...
医学・健康

110歳を超えた人の血液には、がんを殺す免疫細胞が4倍いた——大阪大学が調べた超長寿者の免疫

110歳を超えて生きる人の血液には、がん細胞を殺せる珍しい免疫細胞が、ふつうの高齢者の4倍以上ふくまれていた——そんな研究結果を、大阪大学蛋白質研究所の橋本浩介准教授らのチームが発表しました。日本の超長寿者から直接採血して調べたもので、論文...
医学・健康

長寿家系のゲノムに見つかった「炎症を弱める」希少変異

長生きは、ある程度「家系で受け継がれる」ことが知られています。オランダのライデン大学医療センターの研究チームが、そうした長寿家系212組のゲノムを丸ごと調べたところ、長く健康でいられることに関わっていそうな希少な遺伝子変異が12個浮かび上が...
医学・健康

加齢で減る脂質がミトコンドリア老化の引き金だった──補うと戻った線虫の実験

年をとると疲れやすくなる、というのは誰もが知っている変化ですが、細胞のレベルで「なぜそうなるのか」は、実はまだ説明しきれていません。その答えの一つになりそうな研究が、ドイツのライプニッツ老化研究所(フリッツ・リップマン研究所)のチームから発...
医学・健康

子宮にも常在菌がいた——減った乳酸菌が出す糖で、老いたマウスの着床率が上がった

おなかの中に菌がいる、という話はすっかり知られるようになりました。腸内細菌です。ところが菌がいるのは腸だけではなく、子宮の中にもいます。中国・北京大学第三医院のチームが、不妊治療を受けている女性149人の子宮内膜を調べ、そこにいる乳酸菌の量...
生物・生命科学

ほとんど老いないチョウ、348日を生きた記録と落ちない握力

チョウの成虫が生きられるのは、ふつう数週間です。ところが中米・南米の熱帯林にいるヘリコニウス属のチョウには、348日——1年にあと2週間ほど足りないところまで生きた個体の記録があります。しかも歳をとっても、脚の力が落ちる気配がほとんどない。...
医学・健康

閉経後の卵巣は眠らない——「免疫の器官」へと転職していた

閉経して役目を終えた卵巣は、そのまま静かに眠りにつく——長らくそう思われてきました。ところが最近の研究で、生殖の役目を終えた卵巣は「引退」するのではなく、免疫にかかわる別の顔へと大きく作り変わっていることが分かってきました。しかもその変化が...
医学・健康

健康なまま100歳超え、血液の代謝プロファイルは何が違うのか

著しく健康なまま100歳を超えた人たちの血液を調べたら、ふつうに歳を重ねた人とは違う代謝物(体の中で作られたり使われたりする小さな化学物質)のパターンが見つかった――そんな研究がアメリカから出ました。血液に、健康な長寿と結びついた“化学的な...
医学・健康

100歳超の血液は「若い」——37種のタンパク質が示す長寿のしくみ

100歳を超えて生きる人の血液を調べたら、その中の37種類のタンパク質が、80代よりもずっと若い30〜60代の人に近い状態だった——スイスの研究チームがそんな結果を報告しました。「血が若い」と言っても、若い人から輸血してもらったわけではあり...
医学・健康

老いた筋肉が治りにくいのは「ブレーキ役タンパク質 NDRG1」のせい

年をとると、ちょっとした筋肉のケガでも治りが遅くなる。この「治りにくさ」の原因の一つを、UCLAの研究チームがマウスで突き止めた。筋肉を修復する細胞に、いわばブレーキがかかっていた——しかもそのブレーキは、細胞を長生きさせる役目も同時に果た...