Physical Review Letters

物理学

ビッグバン直後の「スープ」を作る衝突で、ゆらぎが一度だけへこんだ

水を熱すると沸騰して蒸気になります。ところが圧力を上げていくと、ある点で液体と気体の境目そのものが消えてしまいます。これが臨界点です。それより上では、液体と気体を区別する意味がなくなります。原子核をつくっている物質にも、同じような点があるの...
物理

「素直なはず」の第一種超伝導体が、冷えた瞬間にひとりでに磁場を生んでいた

電気抵抗がゼロになる超伝導体には、磁場への反応で2つの型があります。第一種は、ある強さまでは磁場を完全に押し出し、それを超えると一気に超伝導をやめる、ふるまいの単純な型です。第二種は、磁場を細い糸のように少しずつ中に通しながら超伝導を保ち、...
科学・物理

届くはずのない光子が届いていた——史上最強のガンマ線バーストが物理学に残した1個の謎

2022年10月9日、観測史上もっとも明るいガンマ線バーストが地球に届きました。GRB 221009A と名づけられたこの爆発は、あまりの強さに地球の上層大気を電離させたほどで、研究者のあいだでは「史上最強(Brightest Of All...
量子コンピューター

量子テレポーテーションを100チャンネル同時に走らせた華東師範大学の実験

「画像を量子テレポーテーションした」という見出しが海外で流れています。中国・華東師範大学の景傑泰(Jietai Jing)教授らのグループが、光の量子状態を100本の通り道に分けて同時に送り、その100個のマス目で文字の「Q」を描いたという...
未分類

ヒッグス粒子から生まれた2つのZボソンがもつれていた——片方は「仮想粒子」なのに

量子もつれと聞いて思い浮かぶのは、たいてい光子のペアです。暗い実験室で、2つの光の粒を離れた場所に飛ばし、片方を測ればもう片方の状態が決まる――そういう絵です。ところがこの現象、もっと重くて、もっと寿命の短い粒子でも起きていました。CERN...
未分類

2,357℃の氷ができた——理論だけが予測していた「hcp超イオン氷」を実験で捕まえた

2,357℃の氷ができた、という話である。フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)のアレクシス・フォレスティエ氏を中心とするチームが、水をダイヤモンドで挟んで押しつぶし、レーザーで真っ赤に加熱しながら、そのあいだに結晶がどう組み替わるかを...
科学・宇宙

ダークフォトンは初期宇宙を温めていなかった——15年間の前提が崩れ、暗黒物質の探索範囲が広がる

暗黒物質の候補のひとつ「ダークフォトン」について、これまで「この範囲にはいない」とされてきた条件の多くが、実は成り立っていなかった——そんな論文が2026年8月13日、物理学の専門誌Physical Review Lettersに掲載されま...
物理

原子炉を止めても反ニュートリノは止まらない、その微弱な信号を106個数えた話

原子炉を止めたあとも、炉の中からは「反ニュートリノ」という粒子が出続けている。理屈の上ではずっと前から分かっていたことですが、それを実際に数えた人はいませんでした。フランス北部のショー原子力発電所で行われたダブル・ショー(Double Ch...
科学・宇宙

「分数フェルミ海」——極低温原子が見せた、理論の枠外にある物質の新しい状態

物質の状態といえば、固体・液体・気体。学校ではそう習いますが、物理学者はいまも「これまで知られていなかった状態」を探し続けています。オーストリアのインスブルック大学の研究チームが、その新顔をひとつ作り出しました。名前は「分数フェルミ海(fr...
物理学

量子力学に虚数は要らないのか——「不要」と「必要」が両立する理由

量子力学の式には、虚数(きょすう)が当たり前のように顔を出します。2乗すると-1になるという、あの妙な数です。これは自然がそう要求しているのか、それとも人間が計算を楽にするために持ち込んだ道具にすぎないのか。ドイツのハインリヒ・ハイネ大学デ...
化学

金はなぜ錆びないのか——表面の原子が「並び替わって」酸素をはじいていた

金が錆びない理由は、長いあいだ「酸素と反応したがらない金属だから」で説明されてきた。ところが、それだけでは足りないらしい。米チュレーン大学の研究チームが今年5月に Physical Review Letters に発表した計算研究によると、...