PNAS

考古学・歴史

焼き物が本物かどうかは地磁気の残り香で分かる——1,000年の記憶が消える温度

古代の焼き物と称して売られているものが、本当に何千年も前に焼かれたものなのか。それを、粘土に残る地球の磁場の「記憶」から見分ける方法が示されました。カリフォルニア大学サンディエゴ校のスクリップス海洋研究所を中心とするチームが、2026年8月...
古生物学

ジュラ紀の森には、人間に聞こえない声が響いていた

1億6,500万年前の森で、虫がどんな声で鳴いていたか。それを化石の翅(はね)から割り出した研究が、8月25日付のPNAS(米国科学アカデミー紀要)に出ました。中国・四川農業大学の顧俊傑(Jun-Jie Gu)氏を筆頭に、英リンカーン大学、...
科学・宇宙

46億年前の磁場が、南極の隕石に残っていた——太陽が生まれる現場の記録

南極で拾われた一つの隕石のなかに、46億年前の磁場の記録が残っていた——そんな研究結果を、MIT(マサチューセッツ工科大学)のチームが発表しました。調べたのは、隕石に含まれるミリ以下のちりの粒。太陽系で知られているかぎり、もっとも古い物質で...
医学・健康

生まれた月の違いだけで、70年後のがんリスクが変わっていた——戦後イギリスの砂糖配給が残した記録

1953年9月、イギリスで戦後ずっと続いていた砂糖の配給制が終わりました。それから70年以上たった2026年、この「配給が終わった日」をめぐって、思いがけない研究結果が報告されています。配給の前後に生まれた6万4,761人の健康記録を比べた...
テクノロジー

海底の通信ケーブルが、鳴いていないクジラの動きを捉えた

北極圏スヴァールバル諸島の沖、海底に埋められた髪の毛ほどの太さのガラス繊維が、水の中を進む巨大な何かを捉えました。シロナガスクジラです。ただし、拾ったのは鳴き声ではありません。体が水を押しのけたときに生まれる、ごく低い周波数の圧力の波でした...
古生物学

最初の霊長類は熱帯ではなく「凍える北米」で生まれていた

サル・類人猿・そして私たちヒトを含むグループ「霊長類」は、どこで生まれたのか。この問いに対する答えは、長いあいだ「暖かい熱帯の森」で決まりだと思われてきました。ところが、英レディング大学のホルヘ・アバリア=リャウトゥレオ博士らの研究チームが...
古生物学

恐竜が消え、哺乳類が残った差は「カビに強かったから」なのか

恐竜が消えて、哺乳類が残った。その分かれ目を「カビに強かったかどうか」で説明しようとする仮説があります。20年以上前からある少数派の考えで、FIMS仮説と呼ばれます。今年5月、これを補強する材料として、アメリカ・コロラド州の地層から菌類の胞...
科学・生物

同じDNAの仲間を食べる「巨大単細胞」——新種の繊毛虫エウプロテス・ギガトロクス

ふだんは海の中をのんびり泳ぎ、バクテリアをこして食べているだけの小さな単細胞生物。その集団の中から、ときどき2倍以上に膨れ上がった「巨大な個体」が現れて、まわりにいる自分とそっくりな仲間を次々に飲み込みはじめる——。そんな生き物が、新しい種...
医学・健康

利き手が器用なのは生まれつきではなかった——技量は練習で育つという研究

右利きの人は右手で字を書くのがうまく、左利きの人は左手でうまく書ける。この「利き手のほうが器用」という感覚は、生まれつき備わっているものだと思われがちです。ところが最近発表された研究は、その器用さのほうは生まれつきではなく、使い込んだ結果と...
科学・宇宙

逆に水を吸うスプリンクラーはどっちに回る?——「ファインマンのスプリンクラー問題」に実験で決着

芝生に水をまくスプリンクラーを、逆回しにしたらどうなるか。つまり、水を噴き出すかわりに吸い込ませたら、本体はどちら向きに回るのか——。物理学者リチャード・ファインマンの名前とともに語り継がれてきたこのパズルに、ニューヨーク大学(NYU)など...
地球科学

地球には「天然のサーモスタット」があった——海面とリンが握っていた気候調節の仕組み

地球は1億年以上ものあいだ、生き物が暮らせる気温の範囲から大きく外れずにきた。まるで気温を一定に保つ「サーモスタット(自動温度調節装置)」が働いているかのように——という見方は、地球科学では前から知られていた。ただ、その装置がどう動いている...
古生物学

浜辺で拾えるのがアサリで、腕足類でないのはなぜか——史上最大の大量絶滅が残した答え

浜辺で貝殻を拾うと、出てくるのはアサリやハマグリ、サザエやタカラガイ。あたりまえのようですが、これは決してあたりまえではありません。2億5000万年前の海底を埋めつくしていたのは、まったく別の生き物だったからです。その主役の座がひっくり返っ...
科学

カニバリズムは”割に合わない”——タブーを進化的な視点から読み解く

飢えてどうしようもないとき、目の前に食べられそうな「人間」がいたら、食べるのが得なのか。答えは、ほとんどの場合「損」でした。しかもその損は、気分や道徳の問題ではなく、集団まるごとを崩壊させかねない現実的なリスクだといいます。人食い(カニバリ...
テクノロジー

ゴムひもの逆をいく構造——引っ張るほど内側へ縮む「逆向きスナップ」

ゴムひもを引っ張れば伸びる——これは考えるまでもない当たり前です。ところが、引っ張ると逆に内側へ縮み込む構造を、オランダの研究チームが作りました。しかも、力をゆるめたから縮むのではありません。引く力を強めていく途中で、ある瞬間にパチンと短く...
科学

バルト海の孤島に5000年前のオオカミ、家畜化の常識を揺らす

人が船で渡るしかない、バルト海の小さな岩の島。そこから、3000〜5000年前のオオカミの骨が2頭ぶん見つかりました。オオカミは自力で海を越えられないので、答えはひとつ——人が連れて行った、ということになります。しかもその骨をくわしく調べる...