コンテナに収まる150kWレーザー「Apollo」、外部電源なしでドローンの群れに対抗

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外部の電源につながず、内蔵バッテリーだけでドローンを200機撃ち落とす——そんな高出力レーザー兵器「Apollo(アポロ)」を、オーストラリアの防衛企業 Electro Optic Systems(EOS)が2025年9月に公開した。最大150kWを出力する据え置き型のレーザーで、正式名称は Apollo High Energy Laser Weapon(HELW)。以下の数値はいずれもEOSの公表値で、第三者による検証結果ではない点を先に断っておく。

「電源を抜いても200機」が売り

Apolloのいちばんの特徴は、外部電源に頼らずに動けることだ。ふつうこの手の高出力レーザーは大量の電力を食うため、発電機や送電網につなぎっぱなしで使う。ところがApolloは内蔵の電源だけで、EOSいわく200機のドローンと交戦できる。停電したり、電源車が用意できなかったりする状況でも撃てる、というのが狙いどころだ。もちろん外部電源につなげば、電子部品が持つ限り連続して撃ち続けられるとしている。

狙いは「安く大量に飛んでくるドローン」への対抗

近年、レーザーは対ドローンの現実的な守り手として注目されている。ドローン側の強みは、安くて小さくて見つけにくく、数をそろえて一度に押し寄せれば防空網を飽和させられる点にある。一方のレーザーは光の速さで届き、複数の標的を順に狙え、しかも一発あたりの「弾代」がごく安い。ミサイルで一機ずつ迎え撃つよりも、コストの面で釣り合いを取りやすい——ここがレーザー兵器に期待が集まる理由だ。EOSも、ドローンの群れ(スウォーム)による攻撃を経済的なコストで防ぐ需要に応えるための兵器だ、と位置づけている。

何を、どこまで撃てるのか

Apolloが相手取るのは、Group 1からGroup 3と呼ばれる小型〜中型のドローンだ。重さでいうと約9kg(20ポンド)から約599kg(1,320ポンド)までの幅がある。出力の区分としては100kW級で、実際には最大150kWまで出せるとされる。EOSの公表値では、ドローンそのものを破壊できる距離が最大3km(約1.86マイル)、光学センサーを無力化できる距離が最大15km(約9マイル)。360度をカバーし、60度の旋回を700ミリ秒でこなして、Group 1のドローンなら毎分20機に対処できるという。

本体は20フィート(約6m)の標準的な輸送コンテナに収まり、上面から2つの照射ユニットが突き出す形になっている。車両に載せて運用することもできる。すでに国名は明かされていないものの、NATO加盟国の1つに売却済みだとEOSは述べている。米国の輸出規制(ITAR)の対象外である点も、輸出のしやすさとしてアピールされている。

留意点

威勢のいい数字が並ぶが、いくつか差し引いて読む必要がある。まず、ここまで挙げた射程・撃墜数・出力はすべてEOSが公表したもので、独立した第三者が確かめた実戦データではない。「200機」も、内蔵電源で撃てる回数の目安として示された値だ。

レーザー兵器そのものにも、原理的な弱点がある。霧や砂じん、雨といった悪天候ではビームが減衰して効きが落ちるし、標的が地形すれすれの低空を縫って飛んでくれば捉えにくい。ドローン側が表面を反射素材で覆う、といった対抗策も理屈のうえでは考えられる。もっとも、反射コーティングはレーダーや光学センサーに見つかりやすくなるうえ、装甲を厚くすれば重くなって積載量が減る、という別の代償もつきまとう。要するに、これ一つで対ドローン問題がすべて解決するわけではなく、複数の防御手段を組み合わせる中の一枚、という見方が現実的だ。EOS自身、Apolloを単独でも、ミサイル迎撃や機関砲といった手段と層を成す形でも使える、と説明している。

兵器という性格上、どこの誰が、どういう状況で使うかによって受け止め方は大きく変わる。ここでは技術の中身と、メーカーが何をうたっているかを淡々と整理するにとどめる。

元記事は New Atlas の「Apollo laser takes down 200 drones unplugged」、一次情報はEOSの公式発表にあたる。

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