レシピをフローチャートに変換するAIツール「Recipe Lanes」

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料理のレシピをAIに読ませて、「流れ図」に描き直してもらう。そんなツールがオープンソースで公開されています。名前は「Recipe Lanes(レシピ・レーンズ)」。文章でずらずら書かれた手順を、材料ごとのドット絵アイコン付きのフローチャート(作業の流れを矢印でつないだ図)に変換してくれます。

ネットのレシピを見ながら料理をしていて、「あの材料っていつ入れるんだっけ」と、長い文章の中から一行を探し直した経験は、料理をする人なら一度はあるはず。Recipe Lanesは、その「文章の壁」を目で追える図に置き換えようという試みです。まだ発展途上の実験的なツールですが、発想が面白いので紹介します。

Recipe Lanesの概要

Recipe Lanesは、テキストのレシピを視覚的なフローチャートに変換するWebサービスです。個人開発者のbohemian-miser氏が公開していて、ブラウザからそのまま使えます。もともとは週末の趣味プロジェクトとして始まり、作者にとって初めて作ったWebサイトなのだそう。それが少しずつ育って、いまの形になっています。

変換後の図はこんな構成です。材料ひとつひとつに8ビット風(昔のゲーム機のようなドット絵タッチ)のアイコンが付き、「切る」「炒める」「混ぜる」といった手順のマスを矢印がつないでいきます。下ごしらえと加熱調理を別の「レーン(車線)」に分けて並べられるので、複数の作業が同時に走るレシピでも、どの流れがどこで合流するのかがひと目で分かります。

変換の仕組み

裏側では、大規模言語モデル(LLM。ChatGPTなどの土台になっている、文章を理解・生成するAI)がレシピの文章を読み取り、材料と手順を構造化されたデータに整理します。あわせて各材料の「アイコンの説明文」も作り、それをもとに画像生成モデルがドット絵アイコンを描く、という二段構えです。

面白いのは、生成されたアイコンが全ユーザー共有のキャッシュ(保管庫)にためられていくこと。誰かが「にんじん」のアイコンを一度作れば、次の人はそれをそのまま使えます。AIが描いたアイコンが気に入らなければ、「リロール」ボタンで別の絵を引き直すこともできます。

できること

変換して終わり、ではなく、できあがった図は自由にいじれます。各マスはドラッグ&ドロップで動かせて、テキストの編集も可能。見た目のテーマもClassic・Modern・Cleanの3種類から選べます。

公式サイトにはギャラリーもあり、ほかのユーザーが作ったレシピの図を眺められます。気に入ったものは自分のライブラリに複製(フォーク)して、好きに手を加えることもできます。

現状の課題

ただし、完成された製品を期待して触ると肩透かしを食うかもしれません。Hackadayのレビューでは、いくつかの課題が率直に挙げられています。

まず、プロンプト(AIへの指示文)の書き方にコツが要ること。レビューした記者も最初の数回はうまく変換できず、ギャラリーの作例を見て「このツールはこういう書き方を期待しているのか」とつかんでから、ようやく思い通りの図が出せるようになったといいます。また、生成された図で文字が重なって表示されることがあり、その場合は要素を手で並べ直す必要があります。作者自身もバグがあることは認めたうえで、「それでも意外と役に立つ」と書いています。

つまり現時点では、「レシピを貼れば必ずきれいな図が出てくる魔法のツール」ではなく、「多少の手直し込みで遊びながら使う実験的なツール」というのが正直なところです。

オープンソースとしての今後

Recipe Lanesのソースコードは、AGPL-3.0というライセンスでGitHubに公開されています。作者は協力やプルリクエスト(コードの改善提案)を歓迎すると書いていて、誰でも開発に参加できます。オープンソースなので、いま挙げたような粗い部分も、これから改善されていく余地は十分あります。

「AIで料理が変わる」というほど大げさな話ではありませんが、レシピの文章を図に描き直すという着眼点は、LLMの使いどころとしてなかなか気が利いています。文章の理解と構造化はLLMの得意分野で、料理のレシピはまさに「構造のある文章」だからです。身近な不便をAIでちょっと便利にする、そんな小さな工夫の一例として、頭の片隅に置いておくと楽しいツールです。

出典

紹介元の記事と、ツールの公式ページはこちらです。実際に触ってみたい方は、まずギャラリーの作例を眺めてから試すのがおすすめです。

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