太陽の2.49倍しかない「最も軽い」連星中性子星が、2.36時間で回りながら一般相対論を1%以内で裏づけた

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中性子星は、太陽より重い星が超新星爆発を起こしたあとに残る芯です。太陽より重い質量が直径20km ほどの球に詰まっていて、そのうち高速で自転しながら電波のビームを灯台のように振り回すものをパルサーと呼びます。パルサーが別の中性子星と組になって回っている「連星中性子星」は、これまでに30個ほどしか見つかっていません。中国科学院国家天文台の Z. L. Yang、J. L. Han らは、その中で最も軽い組を見つけ、2.36時間で回る軌道を使って一般相対性理論を試しました。論文は2026年9月15日に Physical Review Letters に載り、2026年10月21日に Live Science が報じています。

FAST が見つけた2.36時間の軌道

見つけたのは、中国の貴州省にある口径500m の球面電波望遠鏡 FAST です。パルサーの名前は PSR J1856−0039 で、1秒間に約43回、周期にして23.4ミリ秒で自転しています。これは相手の星から物質を受け取って加速された「ややリサイクルされた」パルサーの典型的な速さです。

軌道は小さく、少しつぶれた楕円でした。公転周期は2.36時間、離心率(楕円のつぶれ具合)は0.106です。2つの中性子星が3時間もかからずに互いの周りを一周している計算で、これだけ近いと、ニュートンの重力では説明しきれないずれが大きく出ます。チームは FAST で追観測を重ね、そのずれを3つ測りました。

太陽の2.49倍しかない「最も軽い」連星中性子星が、2.36時間で回りながら一般相対論を1%以内で裏づけた

3つの相対論的なずれ

1つ目は、軌道が縮んでいくことです。一般相対性理論では、重い天体が回ると重力波を出してエネルギーを失い、軌道が少しずつ小さくなります。この系では、2つの星は1年に2.7m ずつ近づいていました。

2つ目は、楕円の向きが回ることです。水星の近日点が1世紀に43秒角だけ余分に進む現象は、一般相対性理論の最初の検証として有名ですが、この系では楕円の近点が1年に17.5859度も進みます。Live Science によれば、水星のずれの約15万倍の速さです。

3つ目は、パルサーの時計の進み方が軌道上で変わることです。重力が強い場所と速く動いている間は時間がゆっくり進むので、楕円軌道のどこにいるかで電波のパルスの到着が最大0.445ミリ秒ずれます。アインシュタイン遅延と呼ばれる効果です。

この3つが測れると、2つの星の質量が決まります。パルサーは太陽の1.304倍、相手の中性子星は1.185倍で、合わせて2.48841太陽質量でした。既知の連星中性子星の中で最も軽い組で、相手の星は中性子星として知られる中でも最軽量級です。シミュレーションでは、超新星はこれよりあまり軽い中性子星を作れないとされていて、できるぎりぎりの軽さに近い星ということになります。

太陽の2.49倍しかない「最も軽い」連星中性子星が、2.36時間で回りながら一般相対論を1%以内で裏づけた

予測との一致は1.009

質量が決まれば、一般相対性理論は「この2つの星なら重力波で軌道がこれだけ縮むはず」という数字を出せます。観測された縮み方をその予測で割ると、1.009±0.014でした。1%以内の一致で、誤差の範囲で理論どおりです。共著者の Han は Live Science に対し、この重力の記述を打ち負かすことはできなかった、と話しています。

この系は約8,200万年後に合体します。残るのは太陽の約2.26倍の重さの中性子星になりそうですが、自転が遅くなったあとでブラックホールに崩れる可能性もあると論文は書いています。チームは長期の観測を続ければ、回転する天体が周囲の時空を引きずるレンズ・サーリング歳差まで測れるかもしれないとしています。超新星が作れるぎりぎりの軽さの中性子星が、それでもアインシュタインの式どおりに回っている。1世紀前の理論は、まだ外れていません。

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