脳は「1/4」を 4 ではなく 0 の近くに置いていた。整数と分数が同じ一本の数直線に並ぶ地図を、7テスラの fMRI で頭頂葉に見つけた

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「1/4」という記号には 4 という数字が入っていますが、その値は 4 からは遠く、0 のすぐそばにあります。私たちはこれを特に意識せずに読み分けています。脳はこうした抽象的な記号の意味を、どのように持っているのでしょうか。フランスの NeuroSpin(INSERM と CEA の認知神経画像ユニット)の Daniela Valério と Stanislas Dehaene らは、整数と分数を比べる課題の最中の脳活動を高磁場の fMRI で測り、両方の数が同じ一本の「数直線」の上に並ぶ地図を頭頂葉に見つけました。論文は2026年10月22日に PLOS Biology に載っています。

整数と分数を混ぜて、大小を比べ続ける

心理学では以前から、人が整数を頭の中の一本の線、心的数直線の上に並べて扱っているという証拠が積み上がっています。近い数ほど比べるのに時間がかかる「距離効果」はその代表です。研究グループが知りたかったのは、学校で後から習う分数が、教育を受けた大人の脳では、この線に組み込まれているかどうかでした。

実験には、科学系の高校卒業資格を持つ右利きのフランス語話者22人が参加し、脳の異常や体調の問題などで除いた結果、脳活動の解析には20人、行動の解析には19人が含まれました。参加者は、磁場の強さが7テスラ、空間分解能1.2ミリメートルという高分解能の fMRI 装置の中で、整数と分数が混ざった数を次々に見せられ、それぞれが直前の数より大きいか小さいかを答え続けました。分数が絡む比較は整数どうしより誤りが多く、参加者にとって難しい課題でした。

脳は「1/4」を 4 ではなく 0 の近くに置いていた。整数と分数が同じ一本の数直線に並ぶ地図を、7テスラの fMRI で頭頂葉に見つけた

頭頂葉に現れた、値の順に並ぶ地図

結果はまず、行動と脳活動の両方で距離効果が出ました。そして、頭頂間溝のまわり、下側頭皮質、前頭前野、海馬と海馬傍回の活動パターンを並べると、数の大きさと、整数か分数かという種類の2つの軸で整理された「意味の空間」ができていました。

その中で研究グループが注目したのが、前方の下頭頂皮質です。ここは数の処理に関わることが以前から知られている場所で、各地点の活動がどの大きさの数に最もよく反応するかを調べると、小さい数から大きい数へと好みが順に並ぶ地形図のような配置が現れました。しかもこの配置は、整数と分数で共通でした。整数は整数、分数は分数と別々の系に分けて置かれているのではなく、記号の形がどうであれ、その値の大きさに応じて同じ線の上に場所が決まっていたのです。

Live Science の取材に応じた認知神経科学者の Abiot Derbie は、この研究には関わっていませんが、記号から意味へ脳がどうたどり着くかを示す結果だと評し、「1/4」の例を挙げています。記号には 4 が含まれていても、脳の活動パターンはそれを 0 に近い小さな値として扱っていました。

脳は「1/4」を 4 ではなく 0 の近くに置いていた。整数と分数が同じ一本の数直線に並ぶ地図を、7テスラの fMRI で頭頂葉に見つけた

教育で組み込まれた線

Valério と Dehaene は Live Science への連名の回答で、見た目のまったく違う整数と分数を、脳が一つの共通の系にまとめているところが面白い、と話しています。論文の結論は慎重で、教育を受けた大人が、大小の比較をはっきり求められる課題に取り組んでいるときには、脳が整数と分数を統合した順序つきの表現を組み立てられる、という範囲にとどめています。参加者は科学系の教育を受けた20人ほどで、課題も大きさの比較に特化したものなので、分数を日常的に使わない人や、別の課題でも同じ地図が現れるかは、これからの問題です。

それでも、分数という学校で後から覚える記号が、生まれつき持っている数の感覚と同じ場所に、同じ物差しで置かれているという結果は、記号がどうやって意味を持つのかを考える手がかりになります。分数が苦手な人が多いのは、記号の見た目と値の大きさが食い違うからだとよく言われます。脳の側がそれを一本の線にそろえて処理できるのなら、その線が育つ過程を追うことが、算数の教え方を考える材料にもなるかもしれません。

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