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| 名前 | ディメトロドン(Dimetrodon)。ギリシャ語の「2つ」「はかり」「歯」を組み合わせた名前で、大きさの違う歯が並ぶことを指す |
| 分類 | 単弓類 スフェナコドン科 |
| 時代 | ペルム紀前期(約2億9500万〜2億7000万年前) |
| 発見地 | アメリカのテキサス州とオクラホマ州が中心。小型の1種がドイツ中部のブロマッカー採石場から見つかっている |
| 全長 | 北米の種で約1.7m(ディメトロドン・ナタリス)から約4.6m(ディメトロドン・アンゲレンシス) |
| 体重 | 北米の種で約38kgから約250kg。ドイツの小型種はさらに軽く、推定は研究によって約6kgから24kgまで幅がある |
ディメトロドンは、ペルム紀前期の陸にすんでいた肉食の単弓類です。背中に、細長い骨の棘を皮膚でつないだ大きな帆を立てていました。恐竜の本やおもちゃの常連ですが恐竜ではなく、恐竜が現れるより4000万年ほど前に姿を消しています。系統の上では、どの爬虫類よりも、ヒトを含む哺乳類に近い動物です。
姿と暮らし
ディメトロドンは、四本の脚を体の横に張り出して歩く、尾の長い動物です。頭骨は縦に深く、目の後ろには顎を動かす筋肉が付く穴がひとつずつ開いています。この穴の数と位置は単弓類の目印で、哺乳類の頭骨にも形を変えて受け継がれています。命名したのはアメリカの古生物学者エドワード・ドリンカー・コープで、1878年にテキサス州の化石を報告したときです。
歯は、場所によって形と大きさが違います。上顎の前のほうに1〜2本、下顎の前に1本、ほかの歯の2倍ほどの長さになる大きな歯があり、どの歯も後ろに反って、前後の縁が刃になっています。トロント大学のカースティン・ブリンクとロバート・ライスは2014年、ディメトロドンの歯を種ごとに比べ、いちばん大きな種の歯の縁に、ステーキナイフのような細かいぎざぎざ(鋸歯)が並んでいることを示しました。陸の動物の歯でこのぎざぎざが見つかったのは、これが化石記録の中で最初で、のちの肉食恐竜より何千万年も早いことになります。
ディメトロドンは、当時の陸の生態系で最上位の捕食者でした。北米の産地では、水辺の食物連鎖の頂点にいたと考えられています。テキサス州の赤い地層からは、同じ時代の両生類エリオプスや、ブーメラン形の頭をもつディプロカウルス、背中に帆をもつ植物食の単弓類エダフォサウルスも見つかっています。2015年の学会では、テキサス州の一つの産地からディプロカウルスの頭がばらばらになって88個まとまって出て、抜け落ちたディメトロドンの歯が一緒に見つかったという発表がありました。論文ではなく学会での報告ですが、水辺の獲物を食べていたことをうかがわせる記録です。
種は十数種が知られ、大きさの差が大きいのも特徴です。北米では全長1.7mほどの種から4.6mほどの種までいて、ドイツのブロマッカー採石場で2001年に報告されたディメトロドン・テウトニスは、北米の最小種よりさらに小さな種です。北米以外でディメトロドンが見つかったのはこれが最初でした。
帆は体温調節の装置だったのか
ディメトロドンの帆は、背骨の上に伸びる突起(神経棘)が極端に長くなったもので、いちばん長いものは体の高さを大きく超えます。この帆の役目として長く知られてきたのが、体温調節です。1973年、イギリスの研究者ブラムウェルとフェルゲットは、帆を熱の出入り口と見なして計算し、朝の日差しを帆に受ければ、帆のない場合よりずっと早く体が温まるとしました。帆に血管がめぐって血を温めるという説明は、その後ディメトロドンの紹介でおなじみのものになりました。
この説明に、骨の中身から疑問が出ました。2010年、アダム・ハッテンロッカーらは、ディメトロドンと近縁のスフェナコドンの神経棘を薄く切って顕微鏡で調べました。熱を運ぶ装置なら、帆の先のほうに血管が多く通っていそうですが、棘の先端の骨は根元より血管の通り道が多いわけではありませんでした。棘の表面には血管が通ったと思われる溝が走っていたものの、帆が実際にどれだけ体温を調節できたかは分からない、というのが研究の結論です。
同じ2010年、ジョセフ・トムキンズらは、帆の大きさと体の大きさの関係を調べました。ディメトロドンの帆は、体が大きくなる割合以上に大きくなっていて、同じ種の中でも帆の大きさに差がありました。シカの角のように、異性へのアピールや仲間内の張り合いに使われる体の部位で見られる伸び方です。研究チームはさらに、帆をもつ単弓類の小型の祖先は、体温調節の工夫が要らないほど体が小さかったと指摘しています。
帆をもつのはディメトロドンだけではありません。同じ時代のエダフォサウルスも背中に帆を立てていますが、系統を調べると、2つの帆は別々に進化したと考えられています。肉食のディメトロドンと植物食のエダフォサウルスで、帆が同じ役目を果たしていたとは限りません。現在、帆の役目は決着していません。体温にまったく関係しなかったとまでは言えませんが、見せるための構造だったとする見方が有力になっています。




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出典
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Tomkins, J. L., LeBas, N. R., Witton, M. P., Martill, D. M. & Humphries, S. (2010). Positive allometry and the prehistory of sexual selection. The American Naturalist 176, 141–148. https://doi.org/10.1086/653001
Bramwell, C. D. & Fellgett, P. B. (1973). Thermal regulation in sail lizards. Nature 242, 203–205. https://doi.org/10.1038/242203a0
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Cope, E. D. (1878). Descriptions of extinct Batrachia and Reptilia from the Permian formation of Texas. Proceedings of the American Philosophical Society 17, 505–530.


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