ESA

宇宙・天文

太陽風の「S 字のねじれ」は太陽の表面で生まれていた。ソーラー・オービターが中を通り抜けて、粒子の「指紋」から突き止めた

太陽からは、電気を帯びた粒子の流れ「太陽風」が絶えず吹き出しています。その中を通る磁力線は、ときどき S 字のように急に折り返します。この折り返しは「スイッチバック」と呼ばれ、NASA のパーカー・ソーラー・プローブが太陽のそばで数え切れな...
宇宙・天文

火星の火山に毎朝かかる1,800kmの雲は、「教科書の中だけ」の物理でできていた

火星のアルシア山は、高さ約20km、エベレストの2倍以上ある巨大な火山です。その風下に、春から夏にかけてほぼ毎朝、長さ最大1,800kmの細長い雲が現れ、数時間で消えていきます。2018年に ESA の火星探査機マーズ・エクスプレスが見つけ...
宇宙・天文

昼側まで続くオーロラの輪を、45時間ぶん撮り続ける衛星が動き出した

オーロラは夜のものです。昼の空の明るさには勝てないので、太陽が出ているあいだは見えません。ところが宇宙から紫外線で見ると、話が変わります。欧州宇宙機関(ESA)と中国科学院(CAS)が共同で運用する衛星 Smile の紫外線カメラがとらえた...
科学・宇宙

宇宙ごみで人が死傷する確率が5年で倍の年4%に——ESAの年次報告が示した「落ちてくる側」の数字

2026年7月、オーストラリア・クイーンズランド州の浜辺で、金属の球がいくつか見つかりました。オーストラリア宇宙庁は、外国のロケット本体の破片と見て矛盾しないと発表しています。2024年5月には、アメリカのノースカロライナ州の山道のそばで、...
科学・宇宙

契約から打ち上げまで3年半 アポフィス探査機Ramsesが初通電、2028年春にH3で発射へ

2029年4月13日(日本時間では14日の早朝)、直径およそ375メートルの小惑星アポフィスが、地球の表面から約3万2,000キロのところを通り抜けていきます。静止衛星の高度(約3万6,000キロ)より内側です。この大きさの小惑星がここまで...
テクノロジー

GPSなりすましに効く新しい信号を、Galileoが妨害試験場で試した

カーナビもスマホの地図も、衛星から届く電波で自分の位置を割り出しています。ところが、この電波はとても弱い。2万キロ以上の高さから届くころには、受信機のまわりの雑音より小さいくらいの強さしかありません。だから、地上のすぐ近くで「衛星のふりをし...
科学・宇宙

エンケラドスの海を実験室に作ったら、地球の微生物が育った

土星の衛星エンケラドスは、直径がおよそ500kmしかない小さな氷の天体です。それでも「太陽系で地球外生命を探すならここ」と名前が挙がり続けているのには理由があります。厚い氷の殻の下に液体の水の海があり、その海水が南極付近の割れ目から宇宙へ噴...
科学・地球

半世紀で消えた11兆トンの氷、その8割は「融けた」のではなかった

グリーンランドと南極。地球に残る二つの大きな氷床が、1970年代から2023年までのあいだにどれだけ減ったのか。その半世紀ぶんを、衛星の記録をつなぎ合わせてひとつの数字にまとめた研究が、2026年9月16日付の科学誌Scientific D...
科学・宇宙

水星には磁場があるのに、なぜ地表は太陽の粒子にさらされるのか ベピコロンボが高度165kmで測った

水星には磁場があります。地球以外の岩石惑星で、自前の磁場を持っているのは水星だけです。それなのに水星の地表は、太陽から飛んでくる高エネルギーの粒子にさらされ続けていると考えられてきました。磁場は盾になるはずなのに、なぜ地面まで届いてしまうの...
科学・宇宙

火星の南極近くが紫色に見えるのは、朝の光と霜と砂ぼこりのせいだった

赤くない火星の写真欧州宇宙機関(ESA)が2026年9月16日に公開した火星の画像は、紫とピンクと赤が渦を巻いていました。撮ったのは、2003年から火星を回り続けている探査機マーズ・エクスプレスです。場所は南極に近い南緯69度・東経137度...
科学・宇宙

ベピコロンボの推進モジュール分離、管制室が待った2時間の内訳

2026年9月3日の夜、日欧の水星探査機ベピコロンボが、8年間ずっと連結して飛んできた電気推進モジュール(MTM)を切り離しました。ドイツ・ダルムシュタットにあるESA(欧州宇宙機関)の運用センターに「分離成功」を示す信号が届いたのは、日本...
科学・宇宙

衛星が燃え尽きる30秒を、8人がジェット機で追いかけた理由

2026年8月31日と9月1日(世界時)、欧州宇宙機関(ESA)の衛星「Samba(サンバ)」と「Tango(タンゴ)」が、南太平洋のトンガ沖の上空で大気圏に突入し、燃え尽きました。これは事故ではなく、ESAが何年も前から落下点と時刻を決め...
科学・宇宙

ドイツの新興企業Isar、ノルウェーから軌道到達 西欧の地面から民間ロケットが飛んだ初めての日

2026年9月5日の深夜、ノルウェー北部のアンドーヤ宇宙センターから、ドイツの新興企業 Isar Aerospace(イザール・エアロスペース)のロケット「Spectrum(スペクトラム)」が打ち上げられ、軌道に到達しました。積んでいた5機...
科学・宇宙

「みお」いよいよ水星へ ベピコロンボが8年の旅を終えて到着シーケンス開始

2018年10月に打ち上げられた日欧共同の水星探査機ベピコロンボが、2026年9月3日の夜、水星への「到着フェーズ」に入ります。日本時間21時00分、これまで2機の探査機を運んできた電気推進モジュール(MTM)を切り離す予定です。打ち上げか...
科学・宇宙

バッテリーが死んでも蘇り続けた衛星編隊、26年目の計画的な幕引き

2026年9月2日の朝6時30分(世界時では9月1日21時30分31秒)——欧州宇宙機関(ESA)が最終予測として示したこの時刻に、衛星「Tango(タンゴ)」がニュージーランド北方の南太平洋上空で大気圏に突入しました。予測の誤差はわずか±...
科学・宇宙

金星の雲は地面の60倍速く回る——系外惑星の「1日の長さ」に潜む測定の落とし穴

遠くの惑星の「1日の長さ」を測ったつもりが、実は測っていたのは地面の回転ではなく、その上を吹く風だった——。そんな落とし穴を指摘する論文を、カリフォルニア大学リバーサイド校の惑星天体物理学者スティーブン・ケイン氏が発表しました。論文は天文学...
科学・宇宙

水星に「パートタイムの放射線帯」があった——50年越しの論争に一つの答え

地球のまわりには、高エネルギーの粒子が磁場に捕まって輪のように溜まっている領域があります。放射線帯、あるいは発見者の名にちなんでヴァン・アレン帯と呼ばれるものです。磁場を持つ惑星なら木星にも土星にもこれがある——ところが水星だけは例外だ、と...
科学・宇宙

月に降りるたび、生命の起源の手がかりが薄れていく

月の極には、太陽の光が一度も差し込まないクレーターがあります。そこには氷があり、その氷の中には、40億年前に彗星や小惑星が運んできた有機分子がそのまま残っているかもしれない——地球ではプレートの動きと風雨がとっくに消してしまった、生命が生ま...
科学・宇宙

観測史上もっとも古いクエーサーを更新――ユークリッドが見つけた宇宙の夜明けの31天体

欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡ユークリッドが、宇宙が生まれてまだ8億年ほどしか経っていなかったころの古代クエーサーを、いっぺんに31個も見つけました。しかもそのうちの2個は、これまで人類が観測したどのクエーサーよりも古い、新記録の天体で...
物理

太平洋の地下で、溶けた鉄の流れが逆転していた

地球の中心近くでは、どろどろに溶けた鉄の海がゆっくりと渦を巻いている。その流れの向きは、何十年かけてもそうそう変わらない——長いあいだ、そう考えられてきた。ところが太平洋の真下にあたる一角だけが、2010年ごろを境に流れの向きをぐるりと変え...
宇宙・天文

宇宙から見たネオングリーンのオーロラ——ISSの飛行士が捉えた“上から”の光のカーテン

国際宇宙ステーション(ISS)から撮られた一枚が、目を引く光景を映し出しています。漆黒の宇宙を背景に、地球の縁がネオングリーンに発光し、その下を紫のもやが、上を赤い光がふちどる——南半球の上空に現れたオーロラを、ESA(欧州宇宙機関)の宇宙...
宇宙・天文

ユークリッド、天の川銀河の中心を史上最大・最詳細に撮影――6000万個超の星

欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡「ユークリッド」が、天の川銀河のいちばん混み合った中心部を撮影し、可視光ではこれまでで最大・最も詳細な一枚を作り上げました。写り込んだ星の数は6000万個超。撮影にかかった時間は、わずか26時間ほどです。天...