物理学

科学・宇宙

逆に水を吸うスプリンクラーはどっちに回る?——「ファインマンのスプリンクラー問題」に実験で決着

芝生に水をまくスプリンクラーを、逆回しにしたらどうなるか。つまり、水を噴き出すかわりに吸い込ませたら、本体はどちら向きに回るのか——。物理学者リチャード・ファインマンの名前とともに語り継がれてきたこのパズルに、ニューヨーク大学(NYU)など...
科学・宇宙

光の速さに近づくと、宇宙はどう見えるのか——前が「青く縮んだ光の円錐」になる理由

光の速さの99%まで加速できる宇宙船があったとして、その窓から外を眺めたら、星空はどう見えるのか。答えを先に言ってしまうと、前方に宇宙全体がぎゅっと集まって、青白くまぶしい光の円になって迫ってくる。そして後ろはがらんと暗くなる。これは新しい...
物理学

量子力学に虚数は要らないのか——「不要」と「必要」が両立する理由

量子力学の式には、虚数(きょすう)が当たり前のように顔を出します。2乗すると-1になるという、あの妙な数です。これは自然がそう要求しているのか、それとも人間が計算を楽にするために持ち込んだ道具にすぎないのか。ドイツのハインリヒ・ハイネ大学デ...
科学・宇宙

「時計」なしで時間が生まれる小さな宇宙——2万4千個の超冷却原子で再現

時計を使わずに「時間の流れ」を測れる——そんな実験がイギリスで行われた。バーミンガム大学のジョヴァンニ・バロンティーニ教授が、約2万4千個の超冷却原子でつくった小さな「宇宙」を舞台に、時間は外から与えられる物差しではなく、系の内側で起きる変...
物理

量子測定で「時間の矢」を作り変える——エネルギーまで取り出す新しい制御手法

量子の世界では、系を「測る」たびに状態がわずかに乱れる。その乱れが積み重なることで、ミクロな世界にも「時間はこっち向きに進んでいる」という感覚が生まれる。ロスアラモス国立研究所などの研究チームは、この測定のしかたを細かく制御することで、量子...
科学ニュース・論文

金の微細構造で、ナノのすきまを越える熱を最大4倍に

熱いコーヒーはそのうち冷め、動かしているノートパソコンは手のひらに熱を伝えてくる。熱は高いほうから低いほうへ、まわりへ自然と散っていく——これがふだん私たちが知っている熱のふるまいだ。ところが、ものとものとのすきまを、髪の毛の太さよりはるか...
科学ニュース・論文

密度の限界を突破した「人工太陽」——理論の予言を実験で初確認

中国の核融合実験装置「EAST(イースト)」が、長いあいだ「ここから先は無理」とされてきた密度の壁を越えて、プラズマを安定して保つことに成功しました。しかもその越え方は、ある理論が前もって「越えられる領域があるはずだ」と予言していたとおりの...
科学ニュース・論文

「呼吸する」レーザーの謎、ひとつの数式で解けた

レーザーの光は、ふだん一定の強さで出ているように思える。ところが、出てくる光のかたまりが、リズミカルに大きくなったり小さくなったりを繰り返す——まるで呼吸しているようなレーザーがある。「ブリーザー(breather=呼吸するもの)」と呼ばれ...
科学ニュース・論文

1ゼプトジュール未満を実測——暗黒物質探しにもつながる超高感度センサー

フィンランドの研究チームが、想像しづらいほど小さなエネルギーを測り取ることに成功しました。その大きさは、わずか0.83ゼプトジュール。1ゼプトジュールにも届かない量です。「これまでで最も小さなエネルギーを、計算上の見積もりではなく実際に測っ...
科学ニュース・論文

反物質を史上初めて「車」で運ぶことに成功——CERNの挑戦

反物質を、トラックの荷台に積んで運ぶ。SF映画に出てきそうな話が、2026年3月に実際に行われました。スイスのジュネーブ郊外にある研究機関CERN(セルン、欧州合同原子核研究機関)が、ごく微量の反物質を車に載せて構内を走らせ、無事に元の場所...
科学ニュース・論文

87年ぶりに「見えた」現象——暗黒物質探しの土台を固めた初観測

1939年に予言されながら、87年ものあいだ誰も直接は見たことがなかった現象が、ついに実験で確かめられました。「ミグダル効果」と呼ばれるごく小さな現象で、宇宙の正体に関わる暗黒物質(ダークマター)を探すための、確かな足場になると期待されてい...