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宇宙・天文

重力波観測の「空白地帯」に量子力学で挑む——ブルックヘブンのNIAC採択構想

重力波の検出器といえば、腕の長さ4kmのレーザー装置や、何十年もかけてパルサーを見張る観測網のような、とにかく大がかりな仕掛けが定番です。そこに、まったく毛色の違う構想が現れました。NASAの先進構想プログラム「NIAC」に採択された、ブル...
科学・宇宙

救出は失敗、それでも観測は再開――NASAの衛星スウィフト、最後の数か月

2026年8月26日、NASAのガンマ線バースト観測衛星「ニール・ゲーレルス・スウィフト天文台」(以下スウィフト)が、搭載する3つの観測装置のうち2つ——X線望遠鏡(XRT)と紫外線・可視光望遠鏡(UVOT)——を再起動し、宇宙の観測に戻り...
科学・宇宙

火星の月フォボスは、なぜ西から昇って東に沈むのか

火星の空でも「日食」は起きます。2026年8月12日、NASAの火星探査車パーサヴィアランスが、火星の月フォボスが太陽の前を横切っていく瞬間を撮影しました。撮ったのはマストに載った主力カメラ「Mastcam-Z」。私たちが日食のときに使う日...
科学・宇宙

火星の砂ぼこりは有毒、それでも専門家が「対処できる」と言う理由

火星に人を送るとなると、放射線、寒さ、閉鎖環境でのメンタル——課題はいくつも挙がりますが、その一覧に「砂ぼこり」が正式に加わりつつあります。NASAは2026年に入ってから、「火星ダスト限度作業部会(Martian Dust Limit W...
科学・宇宙

打ち上げ成功はゴールではない——ローマン宇宙望遠鏡が天文学に持ち込む「多すぎるデータ」という問題

2026年8月30日、NASAの新しい旗艦宇宙望遠鏡「ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡」が打ち上げられました。日本時間では8月30日(日)の夜8時26分。場所はフロリダのケネディ宇宙センター39A発射台、ロケットはスペースXの大型ロケ...
科学・宇宙

落下までの数か月を使い切る――観測を再開したスウィフトと、それでも近づく救出機LINK

NASAの宇宙望遠鏡「ニール・ゲーレルス・スウィフト観測衛星」(以下スウィフト)が、2026年8月26日に観測を再開しました。半年ほど止めていた2つの望遠鏡の電源を入れ直し、最初に撮ったのはカシオペヤ座にある「ティコの超新星残骸」のX線画像...
科学・宇宙

NASAの望遠鏡が落ちてくる――民間救出ミッション失敗の舞台裏

NASAの宇宙望遠鏡「ニール・ゲーレルス・スウィフト観測衛星」(以下スウィフト)が、早ければ2026年10月にも地球の大気圏に落ちてくる見通しになりました。落下を防ぐために民間企業が救出用のロボット宇宙機を打ち上げていたのですが、機体のトラ...
宇宙・天文

打ち切られたスパイ衛星の余り物が、宇宙望遠鏡になった——ローマン望遠鏡、8月30日打ち上げ

2026年8月30日、NASAの新しい宇宙望遠鏡「ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡」が打ち上げられます。ロケットはスペースXのファルコンヘビー(ファルコン9を3本束ねた大型ロケット)で、場所はフロリダのケネディ宇宙センター。打ち上げ予...
科学・宇宙

火星の南半球は地下まで熱かった——探査機の「軌道のふらつき」16年分が描いた温度地図

火星の地下から、意外な報告が届きました。2026年8月26日付でNature誌に掲載された論文によると、火星のマントル——地殻と核のあいだに広がる分厚い岩石の層——は、南半球のほうが北半球より200〜400℃も熱いというのです。200〜40...
科学・宇宙

「月は無菌」が崩れた——人類の着陸予定地は、微生物にも居心地がいい

月面には空気も液体の水もなく、強烈な紫外線と宇宙線が容赦なく降り注ぎます。だから地球の生き物が月に置き去りにされたら、あっという間に死ぬ——長らくそう考えられてきました。ところが、NASAゴダード宇宙飛行センターのチームが計算したところ、月...
科学・宇宙

月に開いた18mの穴、黒い筋のほうが「古かった」——NASAが精密画像で読み解いた衝突痕

2026年8月5日、SpaceXのファルコン9ロケットの使用済み上段が月に衝突しました。2025年1月に月着陸機を打ち上げたあと宇宙をさまよっていた、重さ約4.5トン(推定)の金属の筒です。その衝突痕を、NASAの月周回衛星LRO(ルナー・...
科学・宇宙

イオンエンジンとは何か——「はやぶさ」を帰還させた宇宙の省燃費エンジン

イオンエンジン(イオン推進器)は、電気の力でイオンを加速して噴射し、その反動で進む宇宙用のエンジンです。火を噴いて飛ぶ化学ロケットとはまったく別の原理で動き、推す力は紙切れを持ち上げる程度しかありません。それでも宇宙では第一線の推進装置とし...
科学・宇宙

プロペラを使わない理由は「調べたい地面を壊さないため」——タイタンの洞窟を飛ぶロボット構想

土星の衛星タイタンにあると考えられている洞窟の中を、小型の飛行ロボットで調べる——そんな構想に、NASAが検討費を出しました。構想の名前はSPARK(スパーク)。ハワイ大学マノア校の助教ダニエル・ドリュー氏が主導し、NASAジェット推進研究...
AI・テクノロジー

NASAのAIは太陽の「音」を聴いて、黒点が見える前にその出現を当てる

太陽の表面に黒いシミのように現れる「黒点(こくてん)」。この黒点が、まだ表面に姿を見せていない段階で、AIがその出現を先読みする——そんな研究成果をNASAが発表しました。手がかりにしたのは、太陽の中を絶えず伝わっている「音」です。開発した...
科学・宇宙

アンドロメダ銀河で星の誕生が減速中、しかも近年加速——容疑者はすぐ隣にいた

私たちの天の川銀河のいちばん近くにある大型の銀河、アンドロメダ銀河(M31)で、新しい星が生まれるペースが落ち続けていることが分かった。ハッブル宇宙望遠鏡のデータを使ってワシントン大学などの研究チームが調べたもので、減速は過去5億年にわたっ...
科学・宇宙

巨大太陽嵐の被害に「上限」はなかったかもしれない——NASAが見抜いた統計の錯覚

太陽から強烈なプラズマの塊が飛んでくると、地球のまわりの磁場が大きく乱れます。これが磁気嵐(じきあらし)で、ひどいときには停電やGPSの乱れ、人工衛星の故障を引き起こします。この磁気嵐について、宇宙物理の世界には数十年ものあいだ信じられてき...
物理

「何もない空間」は空っぽではなかった——ハイゼンベルクの90年前の予言に最強の証拠

「真空」と聞くと、何も入っていない空っぽの空間を思い浮かべます。学校でもそう習いますし、ふだんの生活ではそれで何も困りません。ところが1936年、量子力学の生みの親のひとりであるヴェルナー・ハイゼンベルクは、学生のハンス・オイラーとともに「...
科学・宇宙

火星ヘリが羽織る「小さなマント」の正体——布のアンテナで地下5mの氷を探す

NASAが2028年の打ち上げを目指している火星ミッション「SkyFall(スカイフォール)」は、小型のヘリコプター3機を火星に送り込み、地下に眠る氷を探す計画です。そのヘリコプターの試験映像が公開されたのですが、機体の後ろに布のようなもの...
科学・宇宙

ウェッブ望遠鏡の謎「小さな赤い点」、育った後の姿かもしれない銀河が見つかる

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が観測を始めてから4年、天文学者をずっと悩ませてきた正体不明の天体群があります。「小さな赤い点(リトル・レッド・ドット)」と呼ばれる、初期宇宙に大量に散らばる謎の光です。その謎に、思いがけない方向から手掛かりが...
科学・宇宙

ヒーターを入れ替えて1年延命。213億km先のボイジャー2号で実行された「ビッグバン」作戦

NASAのジェット推進研究所(JPL)が2026年8月4日、深宇宙を飛行中の探査機ボイジャー2号で「ビッグバン」と名付けた電力のやりくりに成功したと発表しました。この操作で電力に余裕が生まれ、いま動いている3台の観測機器を少なくともあと1年...
科学・宇宙

8月12日の日食は、地図の上では「逆走」して見える——影は一度も西へ戻っていない

2026年8月12日に、皆既日食が起こります。月の影が地球の表面を走り、その細い帯に入った場所では、太陽が完全に隠れます。NASAの科学可視化スタジオが、この日食の経路を世界地図に描いた図を公開しています。それを眺めていると、少し妙なことに...
科学・宇宙

20年前の火星探査データを32か所ぶん重ねたら、消えていた鉱物が現れた

NASAの火星探査車スピリットが2004年から送り続けたデータのなかに、当時は「見つからなかった」とされた鉱物が、実はちゃんと写り込んでいた——。エディス・コーワン大学(オーストラリア)のパウロ・デ・ソウザ教授が、20年以上前の観測記録を3...
科学・宇宙

系外惑星の生命探しを邪魔するのは、その星系に漂う塵だった

系外惑星に生命の兆候を探すとき、いちばんの敵は望遠鏡の性能不足だと思われがちだ。ところが、もっと手前に厄介なものが待っている。惑星のまわりに薄く広がる、細かい塵である。NASAゴダード宇宙飛行センターの研究チームは、この塵が惑星の大気を読み...
科学・宇宙

水星に「パートタイムの放射線帯」があった——50年越しの論争に一つの答え

地球のまわりには、高エネルギーの粒子が磁場に捕まって輪のように溜まっている領域があります。放射線帯、あるいは発見者の名にちなんでヴァン・アレン帯と呼ばれるものです。磁場を持つ惑星なら木星にも土星にもこれがある——ところが水星だけは例外だ、と...
科学・宇宙

壊れてもいい探査機を1万個──土星の環へ突っ込ませる構想にNASAが検討費

土星の環を間近で調べる方法として、「壊れてもいい探査機を1万個ばらまく」という案にNASAが検討費を出しました。1個あたり数グラムの極小衛星を大量に環へ突っ込ませ、何割か失われても残りで測り続ける、という構想です。先に書いておくと、これは決...
宇宙開発

火星では今の宇宙服が重すぎる——NASAが出した上限104キログラム

月面用に開発が進んでいる最新の宇宙服を、そのまま火星に持っていくわけにはいきません。着た飛行士が動けなくなってしまうからです。NASAと協力企業の技術者チームが、火星で使う宇宙服に許される重さを計算し、上限は104kg——いまの設計から4割...
テクノロジー

「廃棄品」と押されたアポロの部品を、半世紀後に測り直す

アポロ計画で使われるはずだった部品に、「Scrapped Module(廃棄品)」と大きな印が押されたまま残っていました。ところが、なぜ不合格になったのかを書いた記録は、どこにも見当たりません。この部品を手に入れたマイク・スチュワートさんが...
科学・宇宙

自転が逆回りになった彗星——ハッブルの保管データが捉えた初の事例

彗星の自転がだんだん遅くなり、いったん止まって、そのまま逆向きに回り出す。そんなことが起きた証拠が、ハッブル宇宙望遠鏡の保管データから見つかりました。彗星の自転の向きが反転したとみられる例は、これが初めてです。しかも同じ解析からは、この彗星...
科学・宇宙

ボイジャー1号、11月18日に「1光日」へ——光でも丸1日かかる場所に人工物が届く

1977年に打ち上げられたNASAの探査機ボイジャー1号が、2026年11月18日に地球から「1光日」の場所へ届きます。光の速さでも、たどり着くのに丸1日かかる距離です。人が作ったもので、そこまで遠くへ行った例はまだありません。NASAは秒...
科学・宇宙

木星の衛星イオ、地表数メートル下で20度以上の温度上昇

太陽系でいちばん火山活動が激しい天体、木星の衛星イオ。その「地面の下」の温度が、初めて測られました。NASAの探査機ジュノーが2度の接近で得たデータを解析したところ、地表から数メートル下がるだけで温度が20度以上も上がっていることが分かった...