医学・健康

「石器時代のペストは本当に人を殺したのか」——5,500年前のシベリアで出た答え

「石器時代のペストは、そもそも人を殺せるほど強かったのか」。長いあいだ決着のつかなかったこの問いに、シベリアの古い墓地からはっきりした答えが出ました。答えは「殺せた」。しかも同じ証拠が、「ヨーロッパの人口が新石器時代に大きく落ち込んだのはペ...
宇宙・天文

重力波の検出が累計390件に——ブラックホールの「隠れた集団」が見えてきた

ブラックホール同士がぶつかると、その衝撃で時空そのものがわずかに揺れる。この「時空のさざ波」=重力波が、また一度に161件も見つかった。これまでの検出と合わせると、人類が捉えた重力波は累計390件になる。数を大きく増やしただけではない。過去...
宇宙・天文

無重力で筋肉が細る「本当の始まり」を分子レベルで追う——NASA支援研究

私たちの筋肉は、生まれてからずっと重力と「会話」しながら強さを保っている。体の重みを感じ取り、それに合わせて張りを調整し、「まだ必要とされている」という信号を受け取り続ける。その会話がぷつりと途切れたらどうなるか——それが、宇宙で暮らす宇宙...
宇宙・天文

巨大銀河が星を作らない謎、犯人はブラックホールの「風」か

宇宙でいちばん重い部類の銀河には、なぜか星が足りない。本来なら盛んに星を生み出せるだけの材料を持っていておかしくないのに、理論の予想より星の量(星の質量)が少ないのです。「大きいのにサボっている」ように見えるこの食い違いの犯人として、中心に...
宇宙・天文

小惑星の衝突が、地下に“生命のゆりかご”を作っていたかもしれない

恐竜を絶滅させた小惑星の衝突は、地球にとって最悪の災厄の代名詞のように語られてきました。ところが、その「破壊」こそが生命の始まりを後押ししたかもしれない——という研究がアメリカのサウスウエスト研究所(SwRI)から出ています。衝突が地表を作...
物理

消えやすい磁気の波「マグノン」、寿命を約100倍に——量子情報の新たな運び手へ

すぐ消えてしまうから使えない——そう言われてきた磁気の微小な波「マグノン」を、寿命でおよそ100倍まで長持ちさせた、という研究が発表されました。しかも「これ以上は無理」という限界は物理法則ではなく、材料の純度で決まっていた。つまり、これから...
化学

花火の煙だけじゃない——空に残るアミンという成分

夜空に大きな花火が開いて、しばらくすると白い煙が風に流れていく。あの煙が消えれば、空はもとどおり——そう思って見上げている人がほとんどだと思います。ところが、目に見える煙がはけたあとの空気には、目に見えない汚染物質もいっしょに残っている。そ...
医学・健康

スタチンの「筋肉の副作用」、深刻なリスクは98%超の人で低い――オックスフォード大の計算ツール

コレステロールを下げる薬「スタチン」は、心筋梗塞や脳卒中を防ぐために世界中で広く使われています。ただ、「筋肉に副作用が出るのでは」という不安から、飲むのをためらったり途中でやめたりする人がいることも知られています。オックスフォード大学の研究...
医学・健康

血に触れて約1秒でゲル化――KAISTが開発した吹き付け式の止血パウダー

血が止まらない――これは今も、事故や災害、戦場で命を落とす大きな原因のひとつです。韓国のKAIST(韓国科学技術院)の研究チームが、傷口に吹きかけるとおよそ1秒でゲルに変わり、出血を封じる粉を開発しました。深い傷や、ぎざぎざした不規則な形の...
テクノロジー

61件のドローン通報、立件は1件——デンマーク警察の静かな訂正

デンマークの警察管区のひとつが、昨年秋に「検証済み」と言い切ったドローンの目撃について、その判断を取り下げた。目撃報告があっただけでは、ドローンが本当に飛んでいたとは確認できない——南ユトランドの警察がそう認めた、という話だ。地元メディアの...
テクノロジー・エネルギー

クラゲを寄せつけない“電磁ブイ”、刺傷被害を減らせるか

毎年くり返す、クラゲ刺されの問題夏の海で足に走る、ちくっとした痛み。クラゲに刺されると赤く腫れ、ひどいときは病院に駆け込むことになる。世界では年間およそ1億5000万件もの刺傷が起きているという見積もりもあり、その多くは軽い痛みで済むものの...
テクノロジー

白黒E-inkを60Hzで動かす、電子ペーパーのゲームボーイ

遅いはずの電子ペーパーで、ゲームボーイがちゃんと動く——。M5Stackの開発ボード「PaperS3」を使って、白黒のE-ink画面でレトロゲームを遊べるようにした人がいます。作ったのはWenting Zhangさん。ふだんE-ink(電子...
テクノロジー

ソニー、2028年1月にゲームディスクの生産終了へ——PlayStation新作はデジタルのみに

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、PlayStation向けの新作ゲームについて、2028年1月から物理ディスクの生産を終了すると発表しました。それ以降にPlayStation向けへ出る新作は、PlayStation ...
AI・テクノロジー

テック7社、6月に2.3兆ドルが蒸発——問われ始めたAI投資の元は取れるのか

アップル、アマゾン、アルファベット、メタ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラ——米国を代表する大型テック7社は「マグニフィセント・セブン(Magnificent 7)」と呼ばれる。この7社の時価総額が、2026年6月のわずか1か月で合計お...
AI・テクノロジー

Tidal、まるごとAIの曲には印税を払わない——「スロップ」時代の線引き

音楽配信サービスのTidal(タイダル)が、AIだけで作られた楽曲には印税を払わない、と決めた。2026年6月29日、利用者向けのメールと公式サイトで打ち出した方針だ。ネットのあちこちにあふれ始めた「AIスロップ」——生成AIで機械的に量産...
AI・テクノロジー

メタの新AIグラス「スターファイア」、ファッションの顔とタッグを組む

メタ(旧フェイスブック)が、自社ブランドのAIスマートグラスを打ち出しました。目を引くのは、その中でも上位モデルにあたる「スターファイア(Starfire)」が、化粧品ブランドで知られる著名インフルエンサーとの共同開発だという点です。カメラ...
化学・生命の起源

メタンをメタノールに変えるとき、焦がさずに止める——鉄と銅を置き分けた触媒

天然ガスの主成分であるメタンを、運びやすい液体のメタノールに変える——この反応の長年の悩みは、せっかく作ったメタノールが、その場でさらに酸化されて別のものに変わってしまうことだった。今回紹介するのは、鉄と銅を触媒の「内側」と「外側」に置き分...
宇宙・天文

宇宙で最大の「硫黄入り分子」を発見——星が生まれる前の雲の中で

天の川銀河の中心近くにある冷たいガスの雲から、硫黄をふくむ「環(わ)っか」の形をした分子が見つかりました。原子13個でできていて、これまで宇宙空間で確認された硫黄入りの分子としては最大です。しかも、まだ星が一つも生まれていない雲の中でのこと...
宇宙・天文

ダークマターを“欠く”3例目の銀河、ケック望遠鏡が発見

宇宙にある銀河のほとんどは、目に見えない「ダークマター(暗黒物質)」にがっちり包まれている——というのが、これまでの常識でした。ところが、その常識に当てはまらない銀河が、また一つ見つかりました。ハワイ・マウナケア山頂のケック望遠鏡による観測...
恐竜サイエンス

恐竜の巣を実物大で再現、オヴィラプトルは太陽と“共同で”卵を温めていた

羽毛におおわれ、鳥にそっくりな姿をしていたのに空は飛べなかった恐竜、オヴィラプトル。この恐竜が数千万年前にどうやって卵を温めていたのか、じつはずっとよく分かっていませんでした。台湾の研究チームは、その謎に正面から挑むために巣を実物大でつくり...