Claude(クロード)に話しかけて、頼みごとをして、会話を続けながら答えを調整していく。そうした基本的なやりとりに慣れてくると、次に気になるのが「ほかにどんなことができるんだろう?」というところだと思います。実はClaudeにできることは、文字でのやりとりだけではありません。手元のファイルを読ませたり、長い文章をまるごと扱わせたり、いつもの設定を覚えさせておいたり。ちょっと知っておくだけで「こんなこともできたのか」と世界が広がる機能を、いくつか紹介していきます。
難しい設定はほとんど要りません。普段のチャット画面のまま、できることが増えていく感覚で読んでもらえればと思います。
ファイルを読ませる(PDF・画像・表)
Claudeは、文章を打ち込むだけでなく、ファイルをそのまま渡して中身を読んでもらうことができます。チャットの入力欄のそばにあるクリップのマーク(または「+」ボタン)からファイルを選ぶか、ファイルを画面にドラッグ&ドロップするだけです。
読ませられるものは、たとえばこんなものです。
・PDF:契約書、説明書、研究の資料、役所の書類など。「この10ページのPDF、要点だけ箇条書きにして」と頼めます。
・画像(写真やスクリーンショット):撮った写真の中の文字を読み取ったり、グラフや表の画像を見せて「この表、何を言ってる?」と聞いたりできます。
・Word(DOCX)やテキスト:下書きを読ませて直してもらう、長い文章を短くまとめてもらう。
・ExcelやCSV(表のデータ):数字の並んだ表を渡して、「いちばん多い項目は?」「ざっくり傾向を教えて」と聞けます。
ポイントは、画像の中身まで“見て”くれること。たとえば手書きのメモを撮った写真でも、そこに書かれた文字を読み取って文字に起こしてくれたり、雑誌の棒グラフの写真から数字の大小を読み取ってくれたりします。紙の資料しか手元にない、というときでも、スマホで撮ってそのまま渡せるわけです。
使い方のコツは、ファイルを渡したあとに「何をしてほしいか」を一言そえること。ただ貼り付けるだけだと、Claudeも「これをどうしましょう?」となりがちです。「3行で要約して」「この見積書の合計金額を確認して」のように、目的をセットで伝えると、ねらった答えが返ってきやすくなります。
なお、1つのファイルにはサイズの上限があり、claude.aiでは1ファイルあたり30MBほどが目安です(仕様は変わることがあるので、うまく読み込めないときは公式ヘルプで最新を確認してください)。とても大きなPDFや、文字がぎっしり詰まった資料は、章ごとに分けて渡すとうまくいきやすいです。
長い文章も、まとめて扱える
Claudeは、一度にかなりの量の文章を受け取れます。数十ページ分の議事録や、長いメールのやりとり、論文のような長文でも、貼り付けたりファイルで渡したりすれば、ひとまとまりとして扱ってくれます。
これが効いてくるのは、たとえばこんな場面です。
・長い会議の文字起こしを渡して、「決まったことと、誰が何をするかだけ抜き出して」
・読みきれない長文の記事を渡して、「結論を先に、3つのポイントで教えて」
・自分の書いた長めの原稿を渡して、「話の流れがわかりにくいところを指摘して」
人間なら全部読むのに何十分もかかる量を、まとめて受け取って、必要なところだけ取り出してくれる。これは長い文章を相手にするときの、地味だけれど大きな助けになります。
ただし、いくらでも完璧に覚えていられるわけではありません。あまりに長いものを渡すと、細かい部分が要約されて、こまかなニュアンスが落ちることもあります。大事な数字や固有名詞については、「この部分、原文どおりか確認して」と念押ししたり、自分でも元の文章と照らし合わせたりすると安心です。
プロジェクト機能で「文脈」を覚えさせる
普通のチャットは、新しく始めるたびに“まっさらな状態”からのスタートです。毎回おなじ前提(自分の仕事のこと、好みの文体、よく使う資料など)を説明し直すのは、地味に面倒ですよね。
そこで便利なのがプロジェクト機能です。これは、関連するチャットを1つの場所にまとめておける“専用の作業部屋”のようなもの。部屋ごとに次の2つを設定しておけます。
・ファイル(資料):その部屋でよく使うファイルや文章を置いておくと、部屋の中のどのチャットでもClaudeが参照してくれます。
・手順(指示):「丁寧な敬語で」「結論から書いて」「私は○○の仕事をしています」といった前提を一度書いておくと、その部屋のチャットすべてに効きます。画面では「手順」と表示されている欄です(「指示」「インストラクション」と呼ばれることもあります)。
この「手順」の欄が、プロジェクトのいちばん便利なところかもしれません。ここに書いておくとよいのは、毎回伝えるのが面倒な前提と、答え方の好みです。たとえば、次のようなことを書いておきます。
・このプロジェクトで何をしたいか(目的):「○○について相談する部屋です」
・自分の立場・状況:「私は△△の仕事をしています」など、毎回説明したくない背景。
・答え方の希望:結論から/箇条書きで/専門用語はやさしく/長くなりすぎないように、など。
・守ってほしいこと:使ってほしい言葉づかいや、踏まえてほしいルール・制約。
文章にすると、たとえばこんな書き方です(中身は自分の用途に合わせて書き換えてください)。
私は社内向けの資料づくりを担当しています。このプロジェクトでは、企画書やお知らせ文の作成・推敲を相談します。
・回答は結論や要点を先に、箇条書きで。
・専門用語にはやさしい補足を添えて。
・文体はです・ます調で、少し丁寧めに。
・わからないことは正直に「わからない」と答えてください。最新の情報が必要なものは、その旨も添えて。
最初から完璧に書こうとしなくて大丈夫です。一言だけでも効きますし、使っていて「これも毎回言ってるな」と気づいたことを少しずつ足していけば、だんだん自分専用に育っていきます。手順はあとからいつでも書き直せます(欄の横のえんぴつマークから編集できます)。
たとえば「ブログ用」という部屋を作って、自分の書き方ルールと過去記事を置いておけば、新しい記事の相談をするたびに毎回ゼロから説明しなくて済みます。「お客さん対応用」「英語の勉強用」など、用途ごとに部屋を分けておくイメージです。
プロジェクトは無料プランでも使えます。作れる数は、無料の場合は最大5つまで。有料プラン(ProやMaxなど)ではこの上限がなく、もっと多く作れます。もう一つ、1つのプロジェクトに置いておける資料の量にも違いがあって、有料プランだと、資料が増えてきたときに自動で容量が広がる仕組み(たくさんの資料の中から必要な部分を探し出して使う方式)が働きます。
一点だけ気をつけたいのは、同じ部屋の中でも、別々のチャットどうしで中身が自動で共有されるわけではないこと。チャットAで話した内容をチャットBにも引き継ぎたいなら、その情報を部屋の「ファイル」に入れておく必要があります。「部屋の棚に置いたものはみんなで使えるけれど、個々のチャットで口頭で話したことは、そのチャットの中だけ」と考えるとわかりやすいかもしれません。
Web検索で、最近のことも聞ける
AIには「学習した知識の締め切り」(カットオフと呼ばれます)があります。ある時点までの情報で学んでいるので、それより後に起きたことは、そのままだと答えられません。「昨日のニュースは?」「今の最新版はどれ?」といった質問が苦手なのは、このためです。
これを補うのがWeb検索です。設定でオンにしておくと、Claudeが「これは調べたほうがよさそうだ」と判断したときに自分でネットを検索して、参照したページのリンク(出典)つきで答えてくれます。最新のニュース、変わりやすい価格や仕様、新しく出たサービスの情報などを聞きたいときに頼りになります。
出典が示されるのは地味に大事なところで、「Claudeがそう言っているから」で終わらせず、気になればリンク先の元のページを自分で確かめられます。大事な調べ物ほど、この“元をたどれる”という安心感が効いてきます。
使い方や、プランごとの細かな違い・提供状況は変わることがあるので、最新は公式ヘルプセンター(support.claude.com)で確認してみてください。
「使い方」の幅を広げる関連ツール
ここまでは、いつものチャット画面でできることでした。Anthropic(アンソロピック、Claudeの開発元)は、これとは別に、もう一歩進んだ使い方のためのツールも出しています。今すぐ使う必要はありませんが、「こういう世界もあるんだ」と頭の片隅に置いておくと、いざというとき選択肢になります。
・Cowork(コワーク):パソコンのデスクトップ上で、Claudeに作業そのものを任せられるツールです。普通のチャットは「やり方を教えてくれる」のに対して、Coworkは許可した範囲のフォルダにアクセスして、ファイルを整理したり、複数の資料から報告書をまとめたり、といった“手を動かす作業”まで進めてくれます。プログラミングをしない人の、日常や仕事の作業を助けるのが狙いです。現時点では有料プラン(ProやMax)向けに、お試し段階(リサーチプレビュー)として提供されています。
・Claude Code(クロード・コード):こちらは開発者・プログラミングをする人向け。ターミナル(黒い画面のあれです)やエディタの中で、コーディングの作業を任せられるツールです。プログラムを書かない人にはあまり縁がないかもしれませんが、「開発の現場でもClaudeが使われている」くらいに知っておけば十分です。
このあたりのツールは特に更新が速く、対応している環境・料金・できることがどんどん変わっていきます。気になったら、そのつど公式の情報で最新を確かめるのがおすすめです。
まずは一つ、試してみる
機能を一度に全部使いこなそうとすると、かえって身構えてしまいます。今日のところは、「手元のPDFを1枚読ませて要約してもらう」でも、「よく使う前提をプロジェクトに書いておく」でも、ピンと来たものを一つだけ試してみるのがちょうどいいと思います。一度やってみると、「あ、これ普段のあの作業に使えるな」という感覚がつかめてきます。
こうした機能は今もどんどん増えたり変わったりしているので、最新の情報は公式ヘルプセンター(support.claude.com)をのぞいてみてください。これからも、Claudeをもっと気持ちよく使うためのヒントを紹介していく予定です。


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