宇宙から見たネオングリーンのオーロラ——ISSの飛行士が捉えた“上から”の光のカーテン

宇宙・天文
スポンサーリンク

国際宇宙ステーション(ISS)から撮られた一枚が、目を引く光景を映し出しています。漆黒の宇宙を背景に、地球の縁がネオングリーンに発光し、その下を紫のもやが、上を赤い光がふちどる——南半球の上空に現れたオーロラを、ESA(欧州宇宙機関)の宇宙飛行士が軌道上から捉えました。地上で見上げるオーロラとはまるで違う、「上から横へ」広がる光のカーテンです。

撮影者ソフィー・アドノ飛行士

撮ったのは、ESAのソフィー・アドノ飛行士。フランス出身で、同国初の女性ヘリコプター試験パイロットという経歴を持ちます。2026年2月13日にスペースXのクルードラゴンで打ち上げられ、現在は「εpsilon(イプシロン)」と名づけた自身初のミッションでISSに滞在中です。最長で約9か月に及ぶ予定で、ESAの宇宙飛行士としては過去最長のミッションになるとされています。

今回写っているのは、南半球側に現れる「オーロラ・オーストラリス(南極光)」。北半球側で見られる「オーロラ・ボレアリス(北極光)」と対になる、南の空のオーロラです。

真上から見たオーロラの姿

地上から見るオーロラは、空にかかるカーテンのように頭上を覆います。ところがISSは高度およそ400kmを飛んでいて、オーロラが光る層とほぼ同じ高さか、それより上にいます。だから飛行士の目には、オーロラが地球の縁に沿って横へ流れる、明るい光の帯として見えます。

アドノさんの写真では、緑の渦が手前に渦巻き、その奥に紫がかったもやが地球をうっすら包んでいます。さらに全体が赤い光に染まり、その赤みはステーションの機体の外側にまで映り込んでいます。ふだん地上から見上げる「緑のカーテン」だけでなく、高いところでしか出ない赤や、低いところで出る紫まで、ひとつの画面に収まっているわけです。

色を分ける高度と気体

オーロラの色は、太陽から飛んできた粒子が、大気のどの気体に、どの高さでぶつかるかで決まります。光るしくみ自体は、ガラス管に閉じ込めたガスを発光させるネオンサインとよく似ています。

いちばんよく見える緑は、比較的低いところ(おおよそ100〜250km)にある酸素から出ます。赤はもっと高いところ(300kmあたりから上)の酸素から、紫や青はさらに低い高度の窒素から生まれる色で、どちらも強い磁気嵐のときに目立ちやすくなります。アドノさんの一枚に緑・赤・紫がそろっているのは、それだけ高さの違う層がいちどに光っていた、ということになります。

軌道からのリアルタイム共有

アドノさんは、この眺めへの驚きを自身のSNSにも投稿しています。軌道を回る実験室から、見たままの景色を地上の人々とその場で分かち合えるのは、いまの有人宇宙飛行ならではのことです。望遠鏡が撮った画像でも探査機のデータでもなく、人の目が捉えた「窓の外の景色」がそのまま届く——この写真の良さは、説明よりも一枚そのものに表れています。

出典・もっと知りたい人へ

コメント

タイトルとURLをコピーしました