ひろゆら

医学・健康

切り離しても3年生きるナマコの組織——老化研究の新しい手がかり

海の底で切り離された小さな組織が、3年以上たっても腐らず、栄養を取り込みながら育ち続けていた——。ナマコのある一種で、そんな現象が確認されました。生き物の一部だけがこれほど長く「生きた」状態を保つのは珍しく、老化や組織の寿命を調べる新しいモ...
医学・健康

血中ビタミンCと脳の関係——日本の高齢者2000人超を調べた研究

血液中のビタミンCが少ない人ほど、脳の灰白質(かいはくしつ=神経細胞が集まっている部分)が少なめで、記憶や注意に関わる脳のネットワークのつながりも弱い傾向があった。日本の高齢者2000人以上を調べた研究で、そんな関連が報告されました。気にな...
医学・健康

腎移植の待機リストに載れるのは5人に1人——脱落は手術のずっと手前で起きていた

腎臓がほとんど働かなくなり、医師から「移植を考えましょう」と紹介される。ここまで来れば、あとは待機リストに名前が載るのを待つだけ——多くの人はそんなふうに思うかもしれません。ところが米国で約72万人を追った研究によると、紹介された人の半数近...
化学・生命の起源

食べて、育って、増える——人工細胞「SpudCell」が公表される

人の手で組み立てた小さな袋が、栄養を取り込んで育ち、遺伝情報をコピーして二つに分かれた——。アメリカ・ミネソタ大学の研究チームが2026年7月1日、そんな合成細胞「SpudCell(スパッドセル)」を公表しました。生き物がもともと使っている...
テクノロジー

メンテほぼ不要、ロボット熱帯魚が泳ぐ水槽

本物の熱帯魚を飼うのは、思ったより手がかかる。水換え、水温管理、エサやり、体調のチェック——きれいな水槽の裏には、地味な世話が毎日ついてまわる。そこで「じゃあ魚のほうをロボットにしてしまえばいいのでは」と考えて実際に作った人がいる。水槽の中...
テクノロジー・エネルギー

水を混ぜるとディーゼルの排ガスが6割減る? 「水入り軽油」という発想

ディーゼルエンジンの燃料に、ほんの少し水を混ぜる。それだけで排ガスに含まれる有害物質を6割以上減らせる可能性がある——そんな研究をまとめたレビュー論文(過去の研究を集めて整理した総説)が、ナイジェリアの研究チームから出ています。しかもエンジ...
テクノロジー

平らに刷って、折って立体に ―― 折り紙にヒントを得たハイブリッド3Dプリント

折り紙は、一枚の平らな紙を折るだけで立体を組み上げる。その発想を3Dプリントに持ち込んだ技術が、アメリカのオークリッジ国立研究所(ORNL)から出てきた。素材を薄く積み重ねていく従来のプリントに「折りたたみ」を掛け合わせることで、これまで作...
テクノロジー・エネルギー

港の危険な仕事を電動で──「世界初」をうたう水先案内艇「EF-12 Pilot」

大きな船が港に入るとき、地元の海をよく知る「水先人(みずさきにん)」がわざわざ船に乗り込んで舵取りを手伝う、という仕組みがあります。その水先人を沖の船まで送り届ける小さな船を、英ベルファストのArtemis Technologiesが、燃料...
テクノロジー

Appleの「メールを非公開」に欠陥、隠したはずの本当のアドレスが割れる

個人情報を守るはずの機能が、逆に本当のアドレスをたどる手がかりになっていた——。Appleの「メールを非公開(Hide My Email)」に、隠しているはずの本当のメールアドレスを第三者が突き止められる欠陥がある、とテック系メディアの40...
AI・テクノロジー

AIに112人の公人を“なりすまし”させたら、本物より本物らしいと評価された

AIに政治家など112人の公人「になりきって」しゃべらせたら、その言葉が、本物の政治家が実際に語った言葉よりも「本物らしい・筋が通っている・質問に的確に答えている」と受け取られた——。そんな研究があります。しかも「なりすまし」のほうが、より...
化学・生命の起源

生命の始まりに迫る小さなRNA――45個の部品でできた「QT45」が自分自身をコピーした

生命はどうやって始まったのか——という大きな問いに、たった45個の部品でできた小さなRNAが新しい手がかりを与えました。イギリスの研究チームが「QT45」と名づけたこのRNAは、自分自身のコピーと、その"鋳型(いがた)"になる裏返しの鎖の両...
AI・テクノロジー

作曲AIはどれを使う? サービス・アプリ・ローカルの選び方

作曲AIは、テキストで「こんな曲」と指示するだけで、歌もの一曲をまるごと作れるところまで来ました。選択肢も増えたので、この記事では「どれを使うか」を、ブラウザで使うクラウド型・スマホアプリ・自分のパソコンで動かすローカル型に分けて、表で見比...
AI・テクノロジー

AIで作った曲は誰のもの? ―― 商用利用と著作権の違い

AIで作った曲を配信に出したり、SNSで公開したりすることは、いまでは特別なことではなくなった。ただ、「配信してよい」ことと「その曲の著作権を持っている」ことは、法律上は別々に扱われる。この二つを同じものだと考えると、商用で使う場面でずれが...
AI・テクノロジー

AI作曲をめぐる一年 ―― 訴訟から提携、そして7月の審理へ

2024年の夏、世界最大級のレコード会社3社が、AIで曲を作るスタートアップ2社を著作権侵害でいっせいに訴えました。それから約1年。訴えた側の3社のうち2社は、訴えた相手と手を組み、いっしょに音楽サービスを立ち上げる側にまわっています。敵と...
自作アプリ

テキストを、選んだ声で読み上げる ―― デスクトップ読み上げアプリ「Multi Voice Studio」を作りました

文章を貼り付けてボタンを押すと、好きな声で読み上げてくれる。 そんな Windows デスクトップアプリ Multi Voice Studio を公開しました。「合成音声のアプリ」は世の中にたくさんありますが、このアプリには自分なりのこだわ...
宇宙・天文

AIが超新星の「まわりの環境」まで読み解く——宇宙の膨張の測り方が変わるかもしれない

Ia型超新星(白色矮星=星の燃えかすが起こす大爆発)は、宇宙の距離をはかる“ものさし”として長く使われてきました。どれもほぼ同じ明るさで光るので、見かけの暗さから「どれだけ遠いか」を逆算できるからです。ところが実際には、爆発した星の素性や、...
宇宙・天文

「球状星団」だと思われていたテルザン5、正体は“銀河の化石のかけら”だった

天の川銀河の中心に近い場所に、テルザン5という星の集まりがあります。長いあいだ、ありふれた「球状星団」の一つだと考えられてきました。ところがハッブルとジェイムズ・ウェッブの両宇宙望遠鏡で丁寧に調べ直したところ、正体はもっと珍しいものでした。...
宇宙・天文

地球はあと約19億年“緑”を保てる——最後の植物が消える日の試算

いつか遠い未来に、地球から最後の一枚の葉が枯れて散る日が来ます。植物がすべて姿を消す、その「期限」がいつなのかを試算した研究が公開されました。非営利の研究組織ブルー・マーブル・スペースのジェイコブ・ハック=ミスラ氏とエリック・ウルフ氏は、地...
動物行動・生物学

キンカチョウの“ことば”を11種類デコード——動物と話せる未来へ一歩

キンカチョウ(ゼブラフィンチ)という小さな飼い鳥の鳴き声を、中核となる11種類にまで整理し、その一つひとつの意味まで読み解いた研究者が、2026年の「コラー・ドリトル賞」を受賞しました。動物と人が“双方向”でやり取りする——こちらが動物の声...
科学

新種のテントウムシ、研究室のすぐ外の松の木で見つかる

新種の生きものを見つけるというと、人がなかなか立ち入らない森や離島に分け入る話を思い浮かべます。ところが今回見つかった新種のテントウムシは、研究者の実験室のすぐ外——キャンパスに生えていた松の木にいました。しかも同じ研究で、もう1種の新種も...