月

宇宙・天文

月の裏側に埋もれた火山が、42億年前の月に磁場があったと告げていた。重力と磁気を同時に解いて見つけた地下の岩体

月には、いま磁場を作る仕組みがありません。地球のように溶けた鉄の核がかき回されて磁場を生む「ダイナモ」は、月では止まっています。では昔はどうだったのか。アポロが持ち帰った岩石と、月を回る探査機のデータは、この問いに食い違う答えを返してきまし...
宇宙開発

地上局が止まっても測位衛星がずれないように、月を回る衛星を「外の目」にする。60日で7.85メートルの誤差を35センチに抑えた試算

カーナビの現在地も、船や飛行機の位置も、衛星測位に頼っています。衛星が自分の位置を正確に知っていなければ、受信機の位置も決まりません。その衛星の位置は、地上局との通信で絶えず校正されています。では、停電や災害、サイバー攻撃で地上局が長く止ま...
科学・宇宙

132年に1回の衝突が月で起きていた LROが見つけた直径222mの新クレーター

2024年の春、月の表面に直径222m、深さ43mの穴が開きました。小惑星か彗星のかけらがぶつかってできた、できたての衝突クレーターです。ただ、その瞬間を見た人はいません。地上の望遠鏡も宇宙の観測機も衝突をとらえておらず、穴の存在がわかった...
科学・宇宙

月に都市は作れない——水の量から出した人口の上限

月の南極と北極には、40億年ものあいだ太陽の光が一度も差し込んだことのないクレーターの底があります。そこには氷が眠っていて、多く見積もれば10億トンにもなるとされてきました。この氷が見つかって以来、月には「まず基地、次に村、そして都市や工場...
科学・宇宙

月の砂1.5トンを調べれば、銀河の文明の数に上限がつく

宇宙人探しといえば、巨大な電波望遠鏡で空を見張るイメージが定着している。ところが2026年9月、SETI研究所の研究者らが、まったく別の道具を提案した。月の砂だ。1立方メートルぶんの月の砂を顕微鏡でしらみつぶしに調べれば、たとえ何も出てこな...
テクノロジー・AI

月の見え方は太陽の角度で決まる——NASAとIBMが月面AIモデルを無料公開

NASAとIBMが、月面の観測データを一つにまとめて学習させたAIモデル「NASA-IBM Lunar Foundation Model」を、2026年9月10日に公開しました。学習済みの重み(モデルの中身そのもの)は、AIモデルの共有サイ...
科学・宇宙

月は5時間でできたのかもしれない——衝突計算に「岩の硬さ」を入れたら結果が変わった

月がどうやってできたのか。教科書的な答えは「約45億年前、火星くらいの大きさの原始惑星が地球にぶつかり、飛び散った破片が集まって月になった」です。この巨大衝突説(ジャイアント・インパクト説)は1970年代に提案され、2001年に計算機シミュ...
科学・宇宙

「月は無菌」が崩れた——人類の着陸予定地は、微生物にも居心地がいい

月面には空気も液体の水もなく、強烈な紫外線と宇宙線が容赦なく降り注ぎます。だから地球の生き物が月に置き去りにされたら、あっという間に死ぬ——長らくそう考えられてきました。ところが、NASAゴダード宇宙飛行センターのチームが計算したところ、月...
科学・宇宙

月に開いた18mの穴、黒い筋のほうが「古かった」——NASAが精密画像で読み解いた衝突痕

2026年8月5日、SpaceXのファルコン9ロケットの使用済み上段が月に衝突しました。2025年1月に月着陸機を打ち上げたあと宇宙をさまよっていた、重さ約4.5トン(推定)の金属の筒です。その衝突痕を、NASAの月周回衛星LRO(ルナー・...
科学・宇宙

中国が月の地質図を全面改訂——「書き換えられた」のは歴史だけではない

2026年8月6日、中国地質科学院地質研究所(IGCAGS)を中心とするチームが、縮尺1:500万の「月球地質図」を完成させたと発表しました。横約280センチ、縦約120センチの大判で、月の南極・北極の拡大図付き。13,519個の衝突クレー...
科学・宇宙

月面衝突の続報——5〜10分だけ見えたリチウムの輝きと、ダヌリのニアミス

2026年8月5日、スペースXのファルコン9ロケットの使用済み上段が月に衝突しました。あの日から10日ほどが経ち、世界各地の望遠鏡や探査機が捉えた観測結果が出そろい始めています。まず分かったのは、衝突の直後、月面の上空にナトリウムとリチウム...
科学・宇宙

月に開いた穴の写真は「待ち構えて」撮られていた——衝突33分前から始まった観測

2026年8月5日、役目を終えたスペースXのロケットの一部が月に衝突しました。その衝突地点を写した画像を、韓国の月探査機ダヌリ(KPLO)が撮影し、韓国宇宙航空庁(KASA)と韓国航空宇宙研究院(KARI)が翌6日に公開しました。衝突の前と...
科学・宇宙

スペースXのロケットの一部、8月に月へ衝突——さまよう「宇宙ごみ」が突きつけるもの

2026年8月5日、スペースXのロケットの一部が月面に激突する見込みです。狙って落とすわけではありません。1年以上も地球のまわりをさまよっていた「宇宙ごみ」が、たまたま月とぶつかるコースに乗ってしまった、という話です。ぶつかるのは、ファルコ...
科学・宇宙

8億年前、砕けた小惑星の破片が地球に降り注いだかもしれない

いまから約8億年前、小惑星帯で1つの天体が砕け、その破片が地球・月・火星に長期間降り注いだかもしれない——そんな研究がアメリカのサウスウエスト研究所(SwRI)から発表されました。月に残る8億年前ごろのクレーターの急増を、「エウラリア」と呼...
宇宙開発

月の砂を溶かして酸素を取り出す ブルーオリジンが公開した装置

アメリカの宇宙企業ブルーオリジンが、月の砂(レゴリス=月面をおおう細かい砂や岩の層)を模した砂を溶かして、そこから呼吸できる酸素を取り出す装置を公開した。「Air Pioneer(エア・パイオニア)」と名づけられたこの装置は、いずれ月に置い...
科学・宇宙

アルテミスII、有人で月をフライバイ――半世紀ぶりに人類が月へ

2026年4月、4人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船が、月を回って地球へ帰ってきました。NASAのアルテミスIIです。人が月まで飛んだのは、1972年のアポロ17号以来、半世紀ぶりのこと。今回は月に着陸したわけではありませんが、月の裏側をぐるりと...
科学・宇宙

月に降りるたび、生命の起源の手がかりが薄れていく

月の極には、太陽の光が一度も差し込まないクレーターがあります。そこには氷があり、その氷の中には、40億年前に彗星や小惑星が運んできた有機分子がそのまま残っているかもしれない——地球ではプレートの動きと風雨がとっくに消してしまった、生命が生ま...
宇宙・天文

数十億年前の巨大衝突が、月の深部の岩石を表層へ運んだ可能性

月の内部がどんな岩石でできているのかを知りたければ、これまでは深く掘るしかない、と考えられてきました。ところが「大昔の巨大な衝突が、そのマントルの岩石をすでに表面近くまで運び上げているかもしれない」という研究が出てきました。しかも運ばれた先...