神経科学

脳科学

シナプスの半分が消えても記憶は残った——人工冬眠マウスが揺さぶる「記憶=つながりの強さ」説

脳のシナプス(神経細胞どうしのつなぎ目)が半分以上消えたのに、記憶はまるごと残っていた——そんな実験結果が報告されました。沖縄科学技術大学院大学(OIST)と筑波大学などの研究チームが、マウスを人工的に「冬眠」させる実験で確かめたもので、論...
脳科学

2か国語を話す脳には、文法のエンジンがひとつしかなかった

英語とスペイン語をどちらも不自由なく使える人に、脳の活動をミリ秒単位で追える装置をつけてもらう。そのうえで、画面に出た名詞を単数形にしたり複数形にしたりして、声に出してもらう。すると、どちらの言語を話しているときも、脳の同じ場所が、ほとんど...
医学・健康

てんかんの発作が脳に広がる様子を、毎秒4立体で撮る顕微鏡

てんかんの発作は、数秒のうちに脳を走り抜けていく。その広がり方を、平べったい断面ではなく立体のまま、途切れさせずに撮ることに成功したという研究が出た。米ジョージア大学のチームが作った顕微鏡で、実験魚の稚魚の脳に起きた発作を毎秒4回の立体撮影...
医学・健康

狙いにくい「タウ」を減らして進行を遅らせた、アルツハイマーの実験薬

アルツハイマー病の薬というと、この数年で承認されたものはどれも「アミロイドβ」というタンパク質を狙うものでした。もうひとつの犯人とされながら、これまで薬で減らすのがとても難しかった「タウ」を標的にした実験薬が、早期のアルツハイマー病で認知機...
医学・健康

利き手が器用なのは生まれつきではなかった——技量は練習で育つという研究

右利きの人は右手で字を書くのがうまく、左利きの人は左手でうまく書ける。この「利き手のほうが器用」という感覚は、生まれつき備わっているものだと思われがちです。ところが最近発表された研究は、その器用さのほうは生まれつきではなく、使い込んだ結果と...
医学・健康

2度目の妊娠は、1度目と同じようには脳を変えない

妊娠すると、女性の脳は作り変わる。これは2017年ごろから繰り返し確かめられてきた話です。ただ、これまで調べられてきたのは「1人目のとき」だけでした。じゃあ2人目のときはどうなるのか。同じことがもう一度起きるのか、それとも違うことが起きるの...
医学・健康

コカイン“一度きり”で、脳細胞のゲノムに残る変化

コカインをたった一度使っただけで、脳の細胞のゲノムに二週間以上残る変化が刻まれる——マウスでそんな結果が出た、という報告が出ています。ふだん依存の研究では「くり返し使ううちに脳が変わっていく」という流れが語られますが、今回わかったのは、初回...
医学・健康

星形の脳細胞が出す分子で、加齢とアルツハイマーの認知低下がやわらぐ

脳の中で神経細胞(ニューロン)を陰から支えている「アストロサイト」という星の形をした細胞があります。この細胞が出す「hevin(ヘビン)」という分子を増やしてやると、加齢で衰えたマウスと、アルツハイマー病モデルのマウスの両方で、認知テストの...
医学・健康

アルツハイマーに「抵抗する」脳がある——未成熟な神経細胞が鍵か

脳の中にアルツハイマー病の変化がしっかり出ているのに、記憶もはっきりしていて、生前は認知症の症状がほとんど出なかった——そんな人が、実は少なくないことが知られています。アルツハイマー病になった高齢者のおよそ3割が、症状を経験しないまま過ごす...
医学・健康

なぜ眠ると頭がすっきりするのか――徹夜で増える「脳のつながり」をPETで捉えた

ひと晩しっかり眠ると、なんとなく頭がすっきりする。その理由のひとつが、脳の中で起きている「配線の整理」にあるのかもしれません。起きている間に伸びて増えたシナプス(神経細胞どうしのつなぎ目)を、眠っている間に刈り込んで整える——そんな仮説が長...