【新第三紀の生物】メガロドン – 全長はホホジロザメの体形を借りて測られてきた

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【新第三紀の生物】メガロドン - 全長はホホジロザメの体形を借りて測られてきた
名前メガロドン(Otodus megalodon)。種小名はギリシャ語で「大きな歯」の意味
分類軟骨魚類 ネズミザメ目 オトドゥス科
時代新第三紀 中新世〜鮮新世前期(約360万年前に絶滅)
発見地世界各地の海でたまった地層(化石の大半は歯)
全長最大で15〜20mとする推定が多い。2025年には、最大約24.3mとする推定が出た
体重全長20.3mの個体で約103トンとする推定と、全長24.3mの個体で約94トンとする推定(2025年)がある。どちらも仮定にもとづく試算

メガロドンは、中新世から鮮新世前期の海にいた巨大なサメです。化石のほとんどは歯で、大きなものは高さ16cmを超え、20cm近いものもあります。サメの骨格は軟骨でできていて化石に残りにくく、全身の骨格は見つかっていません。体の大きさは、歯と、わずかに残る背骨から見積もるしかありません。

姿と暮らし

メガロドンの歯は、幅の広い三角形で、縁に細かいぎざぎざ(鋸歯)が並びます。形がホホジロザメの歯に似ているため、19世紀に記載されたときはホホジロザメと同じカルカロドン属に入れられ、ホホジロザメの直接の祖先か、ごく近い親戚と考えられていました。現在は、絶滅したオトドゥス科のオトドゥス属に置かれるのが一般的です。歯の形は似ていても、ホホジロザメとは別の系統に属するサメということになります。

歯のほかに見つかっているのは、いくつかの椎骨(背骨の骨)、皮膚の小さな鱗(楯鱗)、軟骨のかけらです。なかでもよく知られるのが、ベルギーの中新世の地層から出た標本IRSNB P 9893で、一個体分の椎骨がまとまって残っています。椎骨を並べると約11.1mになります。2022年には、この背骨をもとにメガロドンの体を初めて立体模型にした研究が報告され、成体は現在の海の最上位の捕食者ほどの大きさの獲物を丸ごと食べられた、と推定されました。

生まれたときから大きなサメだったと考えられています。椎骨に残る成長の輪を数え直した2025年の研究は、生まれたときの全長を3.6〜3.9mと見積もりました。それまでの推定は約2mでした。メガロドンは鮮新世前期、約360万年前までに姿を消しています。

全長は、ホホジロザメの体形を借りて測られてきた

全身の骨格がない以上、メガロドンの全長は、生きているサメの体の比率を当てはめて計算することになります。その物差しに長く使われてきたのが、歯の形が似ているホホジロザメでした。歯の大きさや椎骨の直径とホホジロザメの体の比率から全長を割り出す方法で、最大の個体を少なくとも15m、大きく見れば20mほどとする推定が出されてきました。

物差しを変えると、数字は大きく動きます。ベルギーの背骨の持ち主について、1996年の研究はホホジロザメの比率から全長を約9.2mと推定しました。体重の推定も同じ比率を土台にしていて、全長20.3mの個体なら約103トンという値が知られています。

前提にずれが出たのは、分類が変わったためです。メガロドンがホホジロザメの祖先ではなく別の系統のサメだとすると、体形まで似ていた理由はなくなります。2025年、デポール大学のケンシュウ・シマダを筆頭とする30人の研究チームは、現生と絶滅したサメの頭・胴・尾の比率を比べ直し、メガロドンはホホジロザメよりほっそりした体だった可能性があるとしました。ホホジロザメのようなずんぐりした体では、水の抵抗が大きくなりすぎるというのが理由のひとつです。

この比率で計算し直すと、ベルギーの背骨の持ち主は約9.2mではなく約16.4mになり、最大の個体は約24.3m、体重は約94トンと見積もられました。体が細長くなったぶん、全長は延びても体重は以前の試算より軽くなっています。巡航速度は時速2.1〜3.5kmと、ゆっくり泳いでいたという推定です。研究チームは、これらの数字はすべて作業仮説だと明記しています。

メガロドンの大きさの推定が研究ごとに揺れるのは、手元にあるのが歯と背骨の一部だけで、残りをどのサメの体形で補うかによって答えが変わるためです。現在は15〜20mという推定が多く引用され、細長い体を前提にすれば、それより長かった可能性がある、というところまでが分かっています。

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出典

Shimada, K. et al. (2025). Reassessment of the possible size, form, weight, cruising speed, and growth parameters of the extinct megatooth shark, Otodus megalodon (Lamniformes: Otodontidae), and new evolutionary insights into its gigantism, life history strategies, ecology, and extinction. Palaeontologia Electronica 28(1), a12. https://doi.org/10.26879/1502

Cooper, J. A. et al. (2022). The extinct shark Otodus megalodon was a transoceanic superpredator: inferences from 3D modeling. Science Advances 8, eabm9424. https://doi.org/10.1126/sciadv.abm9424

Cooper, J. A. et al. (2020). Body dimensions of the extinct giant shark Otodus megalodon: a 2D reconstruction. Scientific Reports 10, 14596. https://doi.org/10.1038/s41598-020-71387-y

Boessenecker, R. W. et al. (2019). The Early Pliocene extinction of the mega-toothed shark Otodus megalodon: a view from the eastern North Pacific. PeerJ 7, e6088. https://doi.org/10.7717/peerj.6088

Gottfried, M. D., Compagno, L. J. V. & Bowman, S. C. (1996). Size and skeletal anatomy of the giant “megatooth” shark Carcharodon megalodon. In Klimley, A. P. & Ainley, D. G. (eds), Great White Sharks: The Biology of Carcharodon carcharias, 55–66. Academic Press.

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