マウス実験

医療・健康

神経につながっていない筋肉が動き続ける——マウスで確かめられた「運動の効果」の正体

皮膚の下に、自分の筋肉から作った小さな筋肉のかたまりを埋め込む。それが勝手に拍動しはじめ、数か月そのまま動き続ける。埋めたマウスは全身の筋肉が増え、握力が上がり、骨密度まで高くなった——中国科学院動物研究所(北京)のチームが、2026年8月...
科学・生命

空いた脳にヒトの神経が根づく——「賢いマウス」は生まれなかった

脳の研究には、ほかの臓器にはない壁があります。生きている人の脳を開いて調べるわけにはいかない、という壁です。使っている本人がいる以上、ヒトの脳がどう育ち、どこでどう壊れるのかは、いまだに分かっていないことが多く残っています。その回り道として...
医学・健康

腸の感染を、脳の膜が5か月覚えていた――マウスで見つかった免疫細胞の引っ越し

食中毒のような腸の感染症にかかると、腸で戦った免疫細胞の一部が脳を包む膜まで移動し、そこに何か月も居すわって「前に会った相手」を覚えている。そんな現象がマウスで確かめられました。ケンブリッジ大学とウェルカム・サンガー研究所の研究チームが、2...
医学・健康

効いていたのは断食ではなく、増えた腸内細菌だった

三か月以上つづく痛み、いわゆる慢性痛はやっかいです。痛みそのものに加えて、集中力が落ちる、もの覚えが悪くなる、気分が沈む、不安が強くなる、といった症状がセットでついてくることが多い。ところが今ある治療は、痛みなら痛み、気分なら気分と、別々に...
医学・健康

死んだ神経細胞のかわりを、脳のなかで作らせる——マウスで報告されたナノ粒子治療

アメリカ・サウスカロライナ大学の研究チームが、アルツハイマー病のモデルマウスにナノ粒子を注射したところ、巣作りや迷路の成績が持ち直したと報告しました。狙いは、失われた神経細胞を外から補うことではありません。脳のなかにもともといる別の細胞に、...
医学・健康

心臓は詰まった血管の迂回路を自分で作る——その作り手は動脈ではなかった

心筋梗塞(しんきんこうそく)は、心臓の筋肉に血を送っている冠動脈が詰まって起きます。血が止まった先の心筋は、酸素も栄養も届かなくなって死んでいく。ただ、体のほうも黙って見ているわけではなく、詰まった場所を避けて血を回すための「迂回路」を自分...
医学・健康

砂糖を完全に断ったマウスで、血糖コントロールがかえって悪化した

砂糖を完全にやめたら、かえって血糖のコントロールが悪くなった——そんな実験結果が報告されました。クウェートのダスマン糖尿病研究所のチームが、2026年6月にシカゴで開かれた米国内分泌学会の年次総会「ENDO 2026」で発表したものです。先...
医学・健康

果糖の「満腹信号」はなぜ弱いのか——脳は糖の種類を聞き分けていた

果糖とブドウ糖。どちらも身近な糖で、カロリーはまったく同じです。ところが、脳はこの2つをまるで別物として扱っていた——そんな研究結果を、米フィラデルフィアのモネル化学感覚センターのチームが報告しました。マウスの脳で空腹を駆り立てる神経細胞の...
医学・健康

カエルの腸内細菌が、マウスの大腸がんを一度の注射で消した

カエルのお腹の中にいた細菌を、たった一度マウスに注射しただけで、大腸にできたがんが跡形もなく消えた——北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)の研究チームが、そんな結果を報告しています。まだマウスでの実験段階ですが、腸内細菌そのものを「生き...
医学・健康

閉経後の卵巣は眠らない——「免疫の器官」へと転職していた

閉経して役目を終えた卵巣は、そのまま静かに眠りにつく——長らくそう思われてきました。ところが最近の研究で、生殖の役目を終えた卵巣は「引退」するのではなく、免疫にかかわる別の顔へと大きく作り変わっていることが分かってきました。しかもその変化が...
医学・健康

コカイン“一度きり”で、脳細胞のゲノムに残る変化

コカインをたった一度使っただけで、脳の細胞のゲノムに二週間以上残る変化が刻まれる——マウスでそんな結果が出た、という報告が出ています。ふだん依存の研究では「くり返し使ううちに脳が変わっていく」という流れが語られますが、今回わかったのは、初回...
医学・健康

哺乳類にも「骨格を組み直す」治し方が眠っていた——マウス実験が示した再生の手順

トカゲやサンショウウオは、失った足や尻尾をまるごと生やし直せます。でも哺乳類にはそれができず、切り落とした指はもう戻らない——これが長いあいだの常識でした。「なぜ再生できる動物とできない動物がいるのか」は、アリストテレスの時代から問われてき...