ひろゆら

宇宙・天文

星が作ったヘリウムを引き算する。大型双眼望遠鏡が金属の乏しい銀河54か所で測り直した「宇宙の最初のヘリウム」は質量の24.58%で、プランクの予言と小数点以下3桁で合った

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。宇宙が生まれて最初の数分間に作られた元素は、ほぼ水素とヘリウムだけです。質量で見ると水素がおよそ4分の3、ヘリウムが4分の1。この「4分の1」が正確にいくつだったかは、ビッグ...
物理

硬いものは熱を通す、という常識を層で崩す。鍋つかみのシリコーンより5倍熱を遮り、700倍から1万倍硬い薄膜

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。熱を通しにくい材料は、たいてい柔らかい。発泡スチロールもエアロゲルも、中に空気を抱え込むことで熱を遮っていて、押せばつぶれます。逆に硬い材料、たとえば金属は熱をよく通します。...
宇宙・天文

月の重力では、水は地球ほど自由に流れない。ロケットを回して作った2分間の「月面」で、18個の小部屋の液面を測った

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。月に基地を作るなら、食べ物は現地で育てたい。植物は食料になるだけでなく、酸素を出し、水を浄化し、廃棄物を循環させます。国際宇宙ステーションでは何年も前から植物を育てる装置が動...
宇宙・天文

ブラックホールがX線で「食べた」300日後に、電波で「げっぷ」した。スウィフトの20年のデータから掘り出した、ペルセウス座銀河団の中心の時間差

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。ペルセウス座銀河団の中心には、NGC 1275という銀河があります。地球から約2億3,000万光年。その中心の超大質量ブラックホールは、強く変動する電波ジェットを吹き出し、銀...
歴史・考古学

9世紀のラトビアで、父と息子を含む6人が同じ墓に。3人は刃物で死に、それでも一人ひとり作法どおりに葬られていた

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。ラトビア西部、リガ湾に近いゼムガレ地方に、チュンカーニ=ドレンゲリという墓地があります。1924年に見つかった遺跡で、川沿いの段丘に7世紀から11世紀にかけて何百人もが葬られ...
医学・健康

症状が消えても、腸の細胞は死にかけたままだった。80人・900点の生検が示した、炎症性腸疾患が再燃する理由の一部

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。クローン病と潰瘍性大腸炎をまとめて炎症性腸疾患(IBD)と呼びます。消化管に慢性の炎症が起きる病気で、治療で症状が落ち着く「寛解」に入っても、多くの人がいずれ再燃します。腹痛...
宇宙・天文

ジェットの中の明るい塊は、衝撃波ではなかった。27年・116回の観測を1本の動画にして分かった、ブレーザー 3C 345 のプラズマの速さ

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。ヘルクレス座の方向、約55億光年先に 3C 345 というクエーサーがあります。中心の超大質量ブラックホールから吹き出すプラズマのジェットが、ほぼ地球の方を向いている天体で、...
生物

金を「作る」細菌の正体は解毒だった。鉱山で本当に働いている微生物は別にいる

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。砂金の粒の表面に細菌がびっしり住みついている。カビの菌糸に金の粒がくっついている。木の葉の中から、金のナノ粒子が見つかる。「金を作る生物」と呼ばれるものの研究は、20年ほど前...
古生物学

【デボン紀の生物】ダンクルオステウス – 「全長10メートル」が3〜4メートルに縮んだ理由

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。名前ダンクルオステウス(Dunkleosteus terrelli)。属名は「ダンクルの骨」。クリーブランド自然史博物館の学芸員デイビッド・ダンクルにちなみ、1956年に付け...
物理

原子核で時を刻む時計が、初めて自分で針を合わせた。室温の結晶で丸1日動いたトリウム時計は、ついでに暗黒物質も探した

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。時計の歴史は、「振り子」をどんどん小さくしてきた歴史です。振り子時計の振り子は水晶の振動に代わり、水晶はセシウム原子の中の電子の振動に代わり、いまは光の周波数で電子を揺らす光...
地球科学

深海から持ち帰った岩が、実験室でひとりでに燃えた。海底採掘が始まる前に見つかった、鉱物の「自己発熱」

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。深海の熱水噴出孔のまわりには、銅や亜鉛、金や銀を含む硫化鉱物の塊がたまっています。「海底塊状硫化物」と呼ばれるこの鉱床は、深海採掘の有力な候補として各国が探査を進めています。...
生物

イカの皮膚一面に、人の耳と同じ細胞が並んでいた。毛の長さを変えて水の動きを聞き分ける「側線フィールド」

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。人の耳の奥には、音の波を電気信号に変える「有毛細胞」が並んでいます。細胞のてっぺんから毛の束が生えていて、その毛が揺れると神経に信号が送られます。魚は同じ種類の細胞を体の表面...
テクノロジー

結晶が「どこで生まれるか」は運まかせだった。KAIST が酸素で縁を削り、二次元半導体の核を区画の中心1点に決めた

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。シリコンの次を担う半導体の候補に、原子1層ぶんの厚みしかない「二次元半導体」があります。代表が二硫化モリブデンで、紙のように薄いのに電気のオンオフができるため、トランジスタを...
医学・健康

栄養表示は1%まで同じ。それでも超加工食品の300キロカロリーは、インスリンを多く出させ、脳の反応まで変えた

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。超加工食品は体によくない、という話はもう聞き飽きたかもしれません。その理由として挙げられるのは、たいてい中身です。脂肪と砂糖が多く、食物繊維とタンパク質が少ない。では、その中...
テクノロジー

モーターが糸になった。太さ1〜3ミリの繊維の中をもう1本が滑る EPFL の「FiberMotor」は、4本束ねて板チョコを持ち上げた

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。モーターは、硬くて重い塊です。小さくしても、磁石と銅線とギアを詰めた金属の筒であることは変わりません。体に着ける補助装置や柔らかいロボットを作る人たちが長く困ってきたのは、こ...
テクノロジー

相手の行き先は予測しない。「出せる最高速度」だけで衝突しないことを証明した、MIT のドローン経路計画

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。崩れた建物の中や、地図のない坑道をドローンに飛ばせるとき、いちばん困るのは「動くもの」です。壁や柱は一度見れば場所が分かりますが、人や車やほかのロボットは、次の瞬間どこにいる...
生物

自分より大きな獲物を丸のみした深海魚が、生きて泳いでいた。水深1,259メートルで撮影されたオニボウズギスの「サイドカー」の胃袋

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。オニボウズギスという深海魚がいます。英語では「黒い丸のみ屋」(black swallower)。体長はふつう15〜20センチほど、大きくても25センチの小さな魚ですが、自分よ...
医学・健康

舌の上の細菌が多い人ほど、反応が速かった。英国とベルギーの60人で出た「口と脳」の相関と、著者らが自分で引いた線

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。ビーツやほうれん草を食べると、含まれている硝酸塩の一部は血液に入ったあと、意外な寄り道をします。唾液に分泌されて口に戻ってくるのです。そこで舌の上の細菌が硝酸塩を亜硝酸塩に変...
生物

「いい気分」が不安に転ぶ場所。マウスの扁桃体で、カンナビノイドがブレーキを外して不安を強める神経細胞が見つかった

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。大麻に含まれるカンナビノイドは、気分を落ち着かせる作用で知られる一方、量が多いときや置かれた状況が不安なときには、逆に強い不安や動揺を引き起こすことがあります。同じ物質が、な...
宇宙・天文

双子の星の片方だけに、ベリリウムが1.6倍。星が自分では作れない元素が、惑星を飲み込んだ証拠になった

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。同じガスの雲から、同じ時期に生まれた2つの星があります。地球から約180光年、うしかい座の方向にある HD 129171 と HD 129209 という連星です。表面温度の差...
古生物学

【ジュラ紀の生物】ブラキオサウルス – 命名者は陸の動物と書いたのに、半世紀以上湖に沈められた恐竜

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。名前ブラキオサウルス(Brachiosaurus altithorax)。属名は「腕のトカゲ」で、長い前脚にちなむ。種小名は「深い胸」分類竜盤類・竜脚類・ブラキオサウルス科時...
古生物学

【デボン紀の生物】ティクターリク – 「いるはずの場所」を先に割り出して掘り当てた魚

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。名前ティクターリク(Tiktaalik roseae)。属名はカナダ北極圏のイヌイットの言葉で「大きな淡水の魚」。ヌナブト準州の長老たちが名づけた。種小名は匿名の寄付者にちな...
物理

電子のスピンが、米粒5個分の板を揺らした。沖縄の研究所が「重力の効く重さ」に量子の力を届かせた

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。電子は、小さな磁石のようにふるまいます。「スピン」と呼ばれる性質のせいで、磁場の強さが場所によって変わる(勾配がある)ところに置くと、スピンの向きに応じて押されたり引かれたり...
人類進化

木は腐っても、石が形を覚えていた。ネアンデルタール人の槍・盆・三脚・棍棒が、石灰華の「型」から597点

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。ネアンデルタール人の道具といえば、石器です。博物館に並ぶのも、教科書に載るのも、石を打ち欠いた道具ばかり。木の道具は腐って消えてしまうので、ほとんど残っていません。ところがス...
宇宙・天文

いちばん静かな太陽の上空に、フレアを起こす「ねじれた磁力線の束」が潜んでいた。気球望遠鏡が大気の上から見た磁場の素顔

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。太陽の磁場というと、黒点やフレアの話になりがちです。けれど太陽の表面の大部分は、黒点のない「静穏領域」が占めています。磁場が弱く、地上の望遠鏡では大気のゆらぎにかき消されて細...
古生物学

人は混ざり、ウシは混ざらなかった。デニソワ洞窟の骨片のDNAから出てきた未知の絶滅種「ヤク X」

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。シベリア南部、アルタイ山脈のふもとにあるデニソワ洞窟は、2010年に小指の骨1本からデニソワ人という未知の人類が見つかった場所として知られています。この洞窟からは25万点を超...
化学

塩を減らさず、舌に「もっと塩辛い」と思わせる。ブナシメジのタンパク質から出てきた3つの小さな分子

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。減塩は、味との戦いです。塩を減らせば血圧にはよいけれど、料理はぼんやりする。カリウム塩で置き換える、うま味で補う、といった工夫はすでにありますが、もうひとつ別の考え方がありま...
テクノロジー

バネをやめたら、跳ぶ高さを自由に決められた。モーターで自分を引き上げる重さ1グラムのロボット

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。ノミは体長の何十倍も跳びます。筋肉の力そのものでは足りないので、脚にあるバネのような組織に力を少しずつためて、一気に放します。虫ほどの大きさの跳躍ロボットも、ほとんどがこの「...
医学・健康

砂糖の2,000倍甘いタンパク質でアイスクリームを作ったら、食後の血糖の山が半分になった

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。砂糖を減らしたいが、甘いものはやめたくない。この当たり前の願いに、タンパク質で応えようという研究があります。ブラゼインは、西アフリカの果実から見つかった小さなタンパク質で、重...
医学・健康

菜食でも筋トレの効果は同じだった。ただし筋肉の「量」だけは、肉を食べる人のほうが多く増えた

この記事には広告(Amazon アソシエイトのリンク)を含みます。年をとると筋肉は減ります。減らさないために効くのは筋力トレーニングとタンパク質で、しかも高齢になるほど多めのタンパク質が要るとされています。ここで菜食の人には気がかりがありま...