天文学

宇宙・天文

オリオン星雲を包む「見えない殻」の意外な正体──想像より10倍軽かった

夜空でいちばん有名な天体のひとつ、オリオン星雲。冬の夜に肉眼でもぼんやり見えて、望遠鏡があれば誰もが一度はのぞく定番の星雲です。何百年も前から観測され、あらゆる最新機器で調べつくされてきた——はずでした。ところが、その星雲を包む大事な部分が...
科学・宇宙

「宇宙人だ」と言う前に——SETIが15年ぶりに発表ルールを改定

地球外の知的生命らしき信号を見つけたとき、科学者は何をして、いつ世界に発表するのか。その手順を定めた国際的な取り決めが、15年ぶりに書き換えられました。改定を主導した国際宇宙航行アカデミー(IAA)のSETI委員会が示した中心の考え方は、ひ...
宇宙

宇宙に324平方メートルの鏡を広げる衛星「エアレンディル1」、FCCが許可

夜の空に鏡を広げて、地上の一点に太陽の光を落とす。そんな衛星の打ち上げを、アメリカの連邦通信委員会(FCC)が2026年7月9日に許可しました。会社の名前はReflect Orbital、衛星の名前は「エアレンディル1(Earendil-1...
科学・宇宙

太陽400万倍のブラックホールが猛烈に育っている、18億光年先の渦巻銀河

ふつう、銀河の中心から届く電波の「増光」は、数日から数週間で収まります。ところが、しし座の方向にある、ある渦巻銀河は8年以上にわたって明るいまま。しかも中心のブラックホールは、太陽の数百万倍という“軽さ”のわりに、ものすごい勢いで物質を食べ...
科学・宇宙

「エイリアン巨大構造物」で騒がれたタビー星に、巨大惑星の証拠が見つかった

「エイリアンの巨大構造物があるかもしれない星」として、10年以上も語られてきた星があります。はくちょう座の方向、約1500光年先にある「タビー星」(KIC 8462852)。この星のまわりに、木星の10倍近い重さの巨大な天体が回っているらし...
宇宙・天文

星間彗星3I/ATLAS、太陽より古い星の「外れ」で生まれていた

太陽系の外から迷い込んできた彗星「3I/ATLAS(スリーアイ・アトラス)」を、地上の大きな望遠鏡で細かく分析した結果が出ました。その化学組成をたどると、この彗星は太陽よりずっと年老いた星の、しかもその外れのあたりで生まれたらしい——という...
科学・宇宙

太陽の最期を、地球は生き延びるかもしれない

遠い未来、太陽が大きくふくらんで地球をのみ込む——そんな“地球最期の日”のイメージは、長いあいだ語られてきた。ところが新しいモデル研究は、太陽が最期に大きくふくらんでも、地球はのみ込まれずに済むかもしれない、と示している。ベルギーのルーヴェ...
科学・宇宙

JWSTが暴く「隠れた銀河合体」——巨大銀河が早々に星づくりをやめた理由

初期宇宙にある巨大な銀河のなかには、思っていたよりずっと早く星づくりをやめてしまったものがある。長いあいだ理由がわからなかったこの謎に、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が一つの答えを出した。おだやかに見える銀河の姿の奥に、過去の激...
科学・宇宙

観測史上もっとも古いクエーサーを更新――ユークリッドが見つけた宇宙の夜明けの31天体

欧州宇宙機関(ESA)の宇宙望遠鏡ユークリッドが、宇宙が生まれてまだ8億年ほどしか経っていなかったころの古代クエーサーを、いっぺんに31個も見つけました。しかもそのうちの2個は、これまで人類が観測したどのクエーサーよりも古い、新記録の天体で...
科学・宇宙

アンドロメダの隣に、見えている星わずか46個の極小銀河が見つかった

アンドロメダ銀河の周りに、これまで見つかった中でも指折りに暗い矮小銀河が見つかった。どれくらい暗いかというと、今回の観測で星として数えられたのは、わずか46個。ふつうの銀河が数百億から数千億の星を抱えることを思えば、桁がまるで違う。名前は「...
宇宙・天文

25光年先のスーパーアース、再解析で「住める領域」に入った

地球から25光年先に、赤色矮星(小さくて暗い、低温の星)をまわる岩石の惑星があります。GJ 3378bと呼ばれるこの星は、2024年に見つかったときには「重すぎて生命には向かなそう」という扱いでした。ところが最新の再解析で質量と公転周期が見...
科学・宇宙

マグネター誕生の瞬間を初めてとらえた——超新星の“さえずり”が明かした宇宙の謎

宇宙でいちばん明るい部類の星の爆発を、いったい何が裏で動かしているのか——長年の謎に、はっきりした答えが出ました。約10億光年かなたの超新星から届いた奇妙な「さえずり」のような信号が、強烈な磁場を持つ中性子星「マグネター」が生まれる瞬間をと...
宇宙・天文

8年かけて星を回る褐色矮星——質量まで測れた「最長周期」のトランジット天体

星の前を横切る(トランジットする)天体は、これまでにたくさん見つかっています。ただそのほとんどは、星のすぐ近くを数日から数十日で回る「せっかちな」天体です。ところが今回見つかったのは、8年近くかけて星を一周する、とても遠くて重い天体でした。...
科学・宇宙

6つの超大質量銀河が一度に合体──近傍宇宙で見つかった極めてまれな系

銀河どうしがぶつかって合体するのは、宇宙ではめずらしくない。ただ、その多くは2つの銀河が1組になるパターンで、3つ、4つとなるとぐっと数が減る。ところが今回報告されたのは、太陽の1000億倍規模の巨大銀河が6つ、一度にひとつへとまとまりつつ...
宇宙・天文

死んだ星のそばで生き延びた惑星を、JWSTが読み解く

地球から80光年ほど離れたところに、死んだ星のすぐそばを回る木星級の巨大惑星がある。星の光の半分以上をさえぎりながら、たった34時間で一周してしまう。本来なら、その星が最期に大きくふくらんだときに焼き尽くされていたはずの場所だ。なのに、この...
宇宙・天文

アインシュタインの理論がみちびいた発見——TESSがとらえた4万光年先の超木星

系外惑星を探す衛星TESSが、これまで一度も使っていなかった方法で木星のような惑星をとらえました。使ったのは、アインシュタインの一般相対性理論から出てくる「重力マイクロレンズ」という現象です。TESSは本来こういう惑星を見つけるようには作ら...
宇宙・天文

重力波の検出が累計390件に——ブラックホールの「隠れた集団」が見えてきた

ブラックホール同士がぶつかると、その衝撃で時空そのものがわずかに揺れる。この「時空のさざ波」=重力波が、また一度に161件も見つかった。これまでの検出と合わせると、人類が捉えた重力波は累計390件になる。数を大きく増やしただけではない。過去...
宇宙・天文

ダークマターを“欠く”3例目の銀河、ケック望遠鏡が発見

宇宙にある銀河のほとんどは、目に見えない「ダークマター(暗黒物質)」にがっちり包まれている——というのが、これまでの常識でした。ところが、その常識に当てはまらない銀河が、また一つ見つかりました。ハワイ・マウナケア山頂のケック望遠鏡による観測...
宇宙・天文

「球状星団」だと思われていたテルザン5、正体は“銀河の化石のかけら”だった

天の川銀河の中心に近い場所に、テルザン5という星の集まりがあります。長いあいだ、ありふれた「球状星団」の一つだと考えられてきました。ところがハッブルとジェイムズ・ウェッブの両宇宙望遠鏡で丁寧に調べ直したところ、正体はもっと珍しいものでした。...
宇宙・天文

天の川の中心、嵐の中の“凪の島”で星が生まれようとしている——ALMAが見たゆりかご

天の川銀河の中心は、星が生まれそうにない場所だと長く考えられてきました。ガスが音速を超える速さで荒れ狂っていて、星の材料が一カ所に落ち着いて集まる暇もないからです。ところが、その渦のただ中にぽつんと“凪(なぎ)”ができていて、そこでガスが静...
宇宙・天文

ブラックホールは星を食べたあと“げっぷ”する——数年遅れて届く電波の輝き

星をまるごと飲み込んだブラックホールが、数か月から、ときには数年も経ってから「げっぷ」をする——そんな後始末の悪さが、電波の観測ではっきりつかまえられました。光が消えて静かになったように見えても、ブラックホールの食事はまだ終わっていなかった...
宇宙・天文

暗黒物質を映す天然のレンズ ― 宇宙の正午で見つかった銀河団XLSSC 122

「宇宙の正午」に見つかった早すぎる銀河団ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、本来ならまだできあがっていないはずの、重くて中心まで密に詰まった銀河団を見つけました。場所は約104億光年のかなた。光がそれだけの距離を旅してきたというこ...
宇宙・天文

宇宙の「網」は想定よりずっと大きかった――DESIが揺るがす宇宙論の大前提

宇宙には、銀河が網の目のようにつながった巨大な構造がある。「コズミックウェブ(宇宙の網)」と呼ばれるもので、ダークマター(目に見えない物質)とガス、そして銀河が、糸状のフィラメントと、その節にあたる銀河団、広大な空洞(ボイド)でできた立体的...
宇宙・天文

「ピンクの惑星」GJ 504 b、ジェイムズ・ウェッブが見つけた“塩の雲”

57光年先に、薄い赤紫色でぼんやり光る天体があります。発見されたときから“ピンクの惑星”と呼ばれてきた GJ 504 b は、暗くて冷たすぎるせいで、地上の大型望遠鏡でも10年以上まともに「光の中身」を読めずにいました。それをジェイムズ・ウ...
宇宙・天文

サハラの隕石が記録していた、消えた原始惑星の証拠

サハラ砂漠で拾われた1個の隕石が、太陽系が生まれたばかりのころに存在し、そして消えてしまった「月ほどの大きさの天体」の手がかりを残していた——という研究が発表されました。いまの惑星になりきれないまま砕け散った原始惑星(げんしわくせい)の、最...
宇宙・天文

6つの銀河が1つに——ジェイムズ・ウェッブが“宇宙最大級の銀河”が生まれる瞬間をとらえる

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、少なくとも6つの銀河がぶつかり合いながら1つの巨大な銀河へまとまっていく“現場”をとらえました。しかも、その中心では超巨大ブラックホールも同時に育ちつつあります。銀河と、その中心にあるブラックホ...
宇宙・天文

ビッグバン後8.5億年の“またたく”クエーサー、円盤はもう平らだった

宇宙が生まれてまだ8億5000万年ほどしか経っていなかったころのクエーサーが、ちらちらと“またたいて”見えた。その光のゆらぎを手がかりにたどると、中心にある巨大ブラックホールが、すでに平たい円盤をまとっていたことがわかった。薄くて平らな円盤...
宇宙・天文

天の川の100分の1サイズの銀河が、生まれたての宇宙の霧を焼き払っていた

生まれたばかりの宇宙は、水素のもやに覆われて光がまっすぐ進めない、いわば「霧の中」のような状態でした。その霧をいったい何が晴らして、宇宙は今のように透き通ったのか——天文学が長年追いかけてきた大きな問いです。ハッブル宇宙望遠鏡が、その「霧が...
宇宙・天文

学生が見つけた「弓矢の形」をした銀河 ―― 180万光年の電波の弧

夜空を肉眼で見上げても気づけませんが、電波で宇宙をのぞくと、まるで引き絞った弓矢のような形をした銀河が見つかりました。弧の長さはおよそ180万光年。理論では昔から「あるはずだ」と予言されながら、実際にはほとんど捉えられなかった現象を、これま...
宇宙・天文

同じ星をまわる「超ふわふわ惑星」を2つ発見、密度は綿菓子以下

木星と同じくらいの大きさなのに、密度は綿菓子(わたあめ)より低い——そんな極端にスカスカな巨大惑星が、しかも2つ同時に見つかりました。これまでに見つかった惑星の中でも、最も軽い部類に入る世界です。オックスフォード大学が率いる国際チームが、同...